2024 年 5月 17日 (金)
ホーム社会韓国で売れたポケモンパン…「必ずしもシール目当てじゃない」背景

韓国で売れたポケモンパン…「必ずしもシール目当てじゃない」背景

ソウルのある大型マート(c)news1

韓国で、2022年2月の再発売以来、1年も経たない間に年間販売1位に上がったポケモンパンが、昨年も販売1位を占め、引き続き好調だ。1000億ウォン(1ウォン=約0.1円)台の売り上げを達成したポケモンパン成功の理由は単純な「思い出売り」だけでなく、高いインフレが一因となったと評価されている。

aT食品産業統計情報(FIS)によると、昨年、パンの小売店売り上げのうち、最も高い売り上げはSPCサムリップのポケモンパンだ。ポケモンパンは2023年1107億6300万ウォンの売り上げを記録し、前年度の860億6800万ウォンに比べ28.69%の伸びを示した。SPCサムリプ側によると、ポケモンパンは今年1月までの合計2億2000万袋の販売量を記録している。

SPCサムリプ側は「継続的な消費者ニーズ分析を通じた新製品とティプシールを企画・発売したため、現在まで人気を集めていると分析される」と見た。SPCサムリップは今年もさまざまなポケモンパンの新製品発売を準備中だ、

ポケモンパンの成功理由は「ティプシール」が外せない。韓国開発研究院(KDI)は「ポケモンパンを購入する消費者は本品であるパンよりはポケモンステッカー(ティプシール)に、より大きな価値を見出している。犬の尻尾が胴体を揺さぶる『Wag-the-Dog』効果」と説明した。

ポケモンパンは1999年当時、アニメの人気を背景に販売が好調で、当時、子どもたちがステッカーだけを持って帰ってパンを捨てることが社会的な問題にもなった。今はその時の子どもたちが成人になって、ポケモンパンの人気復活に一役買っている。

ただ、業界ではポケモンパンの長期好実績は一種の「リップスティック効果(景気低迷のためコスパの良い物の売り上げが増加する現象)」という評価もある。

小麦粉、バター、牛乳などパンの原材料が上昇し、パン専門店の値段が大きく上昇している。韓国消費者団体協議会によると、昨年第4四半期のパリバゲットやトゥレジュールなどは、クリームパンの値段を前年同期比、9.7%から21.4%まで引き上げたことがわかった。

一方、ポケモンパンのような量産パンの価格は1500~2000ウォンレベルを維持している。長期間培ってきたブランドパワーに量産能力も備えており、困難な状況がむしろ好材料として作用したということだ。ポケモンパンの他にもSPCサムリップの量産パンである満月パンは前年比売り上げが221.63%急上昇し、他の量産パンもほとんどの売り上げが上昇した。

新韓投資証券のチョ・サンフン研究委員は「この2年間、ポケモンパン発売に伴う高いベースにもかかわらず、今年SPCサムリップのベーカリー売り上げは6.5%増加するだろう。景気低迷の中で相対的に価格帯が低い量産パンの販売量増加の期待感が高い」と見ている。

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