2024 年 5月 4日 (土)
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金正恩氏が韓国のインターネットを切ったのか [韓国記者コラム]

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記(朝鮮中央テレビキャプチャー)(c)MONEYTODAY

5月31日早朝、携帯電話から「ピー」という鋭い警報音が鳴り響いた。「6時32分、ソウル地域に警戒警報発令」という通知が届いたのだ。北朝鮮が人工衛星を予告通り打ち上げたのか――。しかし、その後、インターネットが接続できなくなった。ごく短時間だが、多くの市民が不安感に襲われた。

届いた警報には「国民の皆様は避難する準備をして、お子様とお年寄りがまず避難できるようにしてください」と記されていた。だが、詳細がわからず、どう避難すればよいのか不明だ。空襲なら地下に、地震なら学校の運動場などに行く必要がある。

ネイバーアプリは間もなく接続が回復した。多くのユーザーが、何があったのか知ろうとこのアプリを起動し、瞬間的に接続が殺到してダウンした。最初の携帯メールから約20分後、警戒警報は誤って発令されたという携帯メールが届き、ソウルは日常を取り戻した。

◇「台湾のネット、断絶する練習」

台湾の馬祖島で2月2日、インターネットが途絶えた。6日後にも同じことが起きていた。台湾の通信当局は、中国の漁船と貨物船が海底インターネットケーブルを切断したのが原因だと明らかにした。

ケーブルが復旧するまで、馬祖島の住民らは外部からの情報が遮断され、数日間恐怖の中で暮らしたという。インターネットがまた切れるかもしれないという懸念から、この地域の宿泊施設の3~4月の予約は例年比20%ほど急減した。

米外交専門誌フォーリン・ポリシーのコラムニストは「台湾侵攻を準備中の中国が、台湾のインターネットを完全に断絶する練習をした」と分析している。正規軍ではなく、漁船など民間を活用した挑発だという。

◇有事に備えた非常用通信網の確保

5月31日にソウルで起きたインターネットアクセスのまひは、市民を一瞬、馬祖島と同じような混乱と恐怖に陥れた。

韓国国民が安心して暮らせるのは、24時間、しっかり接続できる通信網への信頼のおかげだ。もし北朝鮮の軍事挑発とともにインターネット網が切れたらどうなるか――。

インターネット網をほぼ全面的に海底ケーブルに依存してきた台湾は、最近、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」の導入を積極的に推進し始めた。海底ケーブル断絶のような有事の際に通信網を維持するためだ。

中国の台湾侵攻時、中国の要請を受けた北朝鮮が、在韓米軍の足を縛ろうと、韓国に対する挑発行為に打って出る可能性がある、という観測が出ている。

幸いなことにスターリンクは年内の韓国進出を準備中だ。韓国のハンファグループも衛星通信事業を進めている。韓国も有事に備えた非常用通信網の確保が切実に要求されている。

【MONEYTODAY イ・サンベ政治部長】

(c)MONEYTODAY

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