2024 年 5月 17日 (金)
ホームライフスタイル運動・献立よりも脳内細胞の調節で減量できる…韓国研究チームが実験結果を公表

運動・献立よりも脳内細胞の調節で減量できる…韓国研究チームが実験結果を公表

(写真=gettyimagesBank)(c)MONEYTODAY

運動や献立の調節ではなく、脳内の「星細胞(アストロサイト)」を調節して体重を減らすことができる――韓国・基礎科学研究院(IBS)認知・社会性研究団(イ・チャンジュン団長)の研究チームによるこんな研究結果がこのほど、国際学術誌「ネイチャーメタボリズム」(Nature Metabolism)に掲載された。

世界的に肥満人口は10億人に達する。肥満は体内の脂肪組織が増えて生じ、万病の元と呼ばれる。肥満を克服するためには、生活習慣を改善して食事量を調節したり、運動量を増やさなければならない。だが今回、研究チームによって、星細胞の調節で肥満が克服できるという点が示された。

脳の中で普段、空腹感や体内エネルギーバランスは視床下部が司る。これまで視床下部の神経細胞は脂肪組織に繋がり脂肪代謝に関与すると知られていたが、これに対する明確なメカニズムは明らかにされなかった。

研究チームは、視床下部を集中分析するため、ネズミによる動物実験を実施した。その結果、視床下部に神経細胞群集GABRA5を発見したうえ、GABRA5神経細胞を活性化した時に体重が減り、逆に抑制すると体重が増えることを確認した。GABRA5神経細胞が体重調節スイッチというわけだ。

また、星細胞が異常に脳の恒常性を破り、数と大きさが増加すれば、マオビ(MAO-B)酵素が出現した。こうなると、抑制性神経物質であるガバ(GABA)が大量生成され、GABRA5神経細胞活動を抑制する姿が捉えられた。

マオビ遺伝子出現を抑制すればガバが減り、究極的にGABRA5神経細胞が活性化して体重が減少する。つまり「マオビ酵素」が肥満治療の効果的な標的になり得ることを実験的に解明したのだ。

研究チームは、バイオ企業ニューロバイオジェンに技術を移転し、肥満治療物質を開発している。

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