2024 年 5月 5日 (日)
ホーム経済スタートアップ創業者の10人に2人は自殺「高危険群」…心理教育の必要性

創業者の10人に2人は自殺「高危険群」…心理教育の必要性

精神健康実態調査結果を発表するキム・ジョンヒョン教授(写真提供=D.CAMP)©MONEYTODAY

「特定の時間を決めて休むことをお勧めします。休み方は個人によって違いますが、私の場合、自宅や職場ではなく、第3の場所、例えば、フィットネスセンターやスターバックスなどでリフレッシュします」

家と職場だけを行き来しながら、まともに休めない、という青年創業者。「休むのが申し訳ない」という話に、盆唐ソウル大学病院(韓国京畿道城南市盆唐区)精神健康医学科のキム・ジョンヒョン教授は次のように言い切った。

「休むことに罪悪感を持つな」

◇資金の圧迫と投資誘致に対するストレス

「銀行圏青年創業財団」(D.CAMP)は19日、キム・ジョンヒョン教授を招請し、創業者のための心の悩み相談所としてオフィスアワーを開催した。

2019年に初めて開催した際、申請だけして参加しない「ノーショー」が50%に達するほど高かったが、新型コロナウイルス感染以後初めて開催したこの日は、申請者30人の大部分が参加した。

創業家は資金の圧迫と投資誘致に対するストレスが大きい。

「D.CAMP」は盆唐ソウル大学病院とともに、創業者の精神健康問題と原因を分析し、「国内スタートアップ創業者精神健康実態調査報告書」を発刊した。それによると、創業者の精神健康状態はすべての指標で落第点だ。

キム教授は「これまで、創業の意図や活性化に関する研究は多かったが、創業者の精神健康に対する研究は多くなかった。今回の研究を通じて、一般成人に比べた創業者の憂鬱、不安、自殺の有病率が高いということを確認した」と明らかにした。

◇心理教育やプログラムが必要

今回の研究は、今年4月4~19日、韓国スタートアップ創業者880人を対象に▽憂鬱▽不安▽睡眠問題▽問題性飲酒▽自殺危険性▽ストレスなど精神健康と関連したアンケート調査を実施し、有効回答者271件について分析した。

その結果、中間水準以上の憂鬱を経験する人が88人(32.5%)で全国成人平均18.1%より高く、不安比率も55人(20.3%)で全国成人平均8%をはるかに上回った。特に今回の調査で創業者10人に2人は自殺危険性高危険群に属し、治療が必要であることがわかった。

創業者たちの回答のうち、最も大きな割合を占めたストレス要因は▽資金圧迫・投資誘致(121人、44.6%)であり、組織管理・人間関係(55人、20.3%)▽実績不振・成果不十分(53人、19.6%)――など、組織管理と関連した要因が続いた。特に創業者の業歴が長いほど、憂鬱と不安、自殺危険性とストレス指数が高く現れた。

性別では男性に比べて女性創業者で自殺危険性(34.1%)と中等度以上のストレスを見せる割合(68.2%)が高かった。男性創業者の場合、それぞれ18.5%、57%だった。

また、女性創業者の場合、ストレスに対処する方式として、ストレスと関連のない行動でストレスを回避する「逆機能的対処」を、男性創業者に比べてより多く使用していることが分かった。

逆機能的対処を頻繁に使用すると、問題性飲酒増加などの問題につながる危険性がある。キム教授は女性創業者を対象にストレス解消のための心理教育やプログラムなどが必要だと提案した。

キム教授は創業者が事業をあきらめずに続けるためには、業務の中に、興味や満足を探そうという原動力「内在的動機」を高めることが何より重要だと指摘した。特に、スタートアップ創業者の精神健康は、個人の生活だけでなく、企業の運営にも影響を及ぼす重要な要因であるだけに、いつでも専門家に助けを要請できる心理教育の機会が必要だと強調した。

©MONEYTODAY

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