2024 年 5月 17日 (金)
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人生は漢江ビュー? 若者世代が「夢見る家」、どう変わったか [韓国記者コラム]

ソウル漢江沿いのマンション(c)news1

韓国のハ・ギルジョン監督の1970年代のヒット作「馬鹿たちの行進」(1975)に、主人公のビョンテの友人ヨンチョルが居酒屋でビールを飲んでいる時、女子大生から「お金を稼いだら何をするか」尋ねられ、「赤い屋根の洋館を買う」と答える場面がある。「庭にはバラも植え、自家用車も買う」。それが当時の夢だった。

1975年当時、20代の若者が目指すマイホームは「一戸建て」だった。統計庁の人口住宅総調査によると、全国のマンションは同年9万6472棟。汝矣島(ヨイド)や狎鴎亭(アックジョン)、蚕室(チャムシル)のマンションの開発も終わっていない時代だった。

一方、ポン・ジュノ監督の「パラサイト~半地下の家族」(2019)では、垂直の空間を通じて象徴的に住居階級を見せる。上から順に、パク社長家族が住む大邸宅の「地上」、ギテク家族の「半地下」、ムングァン夫妻がひそかに寄生する「地下」で3等分される。「地上―半地下―地下」はそれぞれ「上流層―庶民層―極貧層」が住む空間というわけだ。

X世代のポン・ジュノ監督は1969年生まれで、映画を撮った当時50歳。庭園付きの大邸宅を社長ら金持ちが追求する理想的な住居空間を頂上に設定した。

今の若い世代にとって大邸宅は、誰もが住みたい理想的な空間だろうか。例えば、20~30代のMZ世代が映画を撮ったら、庭付きの豪邸ではなく、漢江(ハンガン)を見下ろすマンションのペントハウスを設定したのではないか。

最近20~30代の暗号資産(仮想通貨)の世界では「人生は漢江の水、それとも漢江のビュー」という言葉がある。投資して失敗すれば漢江の水に飛び込み、成功すれば漢江の眺望が可能なマンションを持つ。若者にとってのロマンが漢江を望むマンションだということが垣間見える。

最近、20代男性の夢といえば▽スーパーカーを持つ▽海外旅行を頻繁にする▽漢江ビューのマンションを持つ――の3つだという。2つの映画は、住居に対する認識の世代差も如実に描き出している。

(c)news1

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