2024 年 4月 30日 (火)
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[インタビュー] イ・ミンホ、ドラマ「パチンコ」でみせた「善と悪の両面」

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「洗練された、かっこいい、ファンタジー的な人物ではなく、野生に戻って人間の原初的な面を表現してみたかった」。俳優イ・ミンホ(35)は「Apple TV+」の新ドラマシリーズ「パチンコ」に出演した理由をこう話した。このドラマでは、前作の「ザ・キング:永遠の君主」で白馬に乗って光化門に現れたのとは正反対の姿を見せたかった――という。

イ・ミンホは18日、オンライン画像のインタビューに応じた。彼が韓流を代表する俳優であることに誰も異論はないだろう。K-コンテンツが全世界の注目を浴びるなか、「パチンコ」というグローバルプロジェクトに身を投じた。「Apple TV+」は韓国内ではまだ立地が弱いため、興行に対する負担がないわけではない。だがイ・ミンホは「作品に自信があるので興行のことはあまり気にしない。そんな負担からもっと自由になるためにこのドラマを選んだ」と語った。

「パチンコ」は、韓国系米国人作家のイ・ミンジンが2017年に発表した同名小説を原作とする。1910年代から1980年代、植民地時代に日本に渡り、韓国人としても日本人としても生きていけない「在日ディアスポラ(離散民)」の苦難に満ちた人生が描かれている。イ・ミンホが演じたハンスも同様に、時代の悲劇に巻き込まれて運命に翻弄され、ひたすら耐えてきた人物の1人だ。

イ・ミンホはこの作品のためにオーディションを受けた。2006年にデビューして既に17年のキャリアを待つ。「花より男子」でスターになったのは13年前だ。いくら米国で作られたドラマだとしても、イ・ミンホほどのスーパースターがオーディションを受けるのは、意外な気がする。

「オーディションの提案を受けて台本を読んだんですが、どうしてもやりたかったんです。生まれ変わった感じでした。『花より男子』の準備をしていた時を思い浮かべました」

「今回の作品では、まるで当時のように、自分の演技をずっと疑い続けました。撮影が終わって帰る時も、気持ちがラクになることはありませんでした。それほど『ハンス』というキャラクターを、心を込めて表現したいという欲望が大きかったのです。それだけ強烈に(役に)はまりました」

「ハンス」は日本で生き残り、成功するために何でもするヤクザとして生きていく荒々しいキャラクター。悪役とまでは言えないが、悪事に手を染めることも厭わない複雑な人物だ。

「他の人に比べて、エネルギーが人1倍多く出ている人」。イ・ミンホは「ハンス」をこう例える。「いつでも、誰でも攻撃できる。相手のエネルギーを打ち返す準備ができているキャラクター」だという。

イ・ミンホが前作で見せたのが「顔立ちが完璧に整った美男のイメージ」なら、「パチンコ」の「ハンス」は時代の悲劇を一身に経験した人物であり、同じようには表現できなかった。

「例えば顔は端正というよりは、荒々しい感じを考えました。だから、過去の韓国ドラマの準備の時のように、一所懸命ダイエットして各種の管理を受けることはしませんでした」

イ・ミンホは「ハンスは自分の欲望に忠実な機会主義者」でありながら「それでいて善良な心を持った人物。善と悪の両方を持っているからこそ魅力的だ。ハンスの内面の苦悩が私にも感じられるような思いがした」という。

ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」を機に、米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のオリジナルシリーズ「イカゲーム」が世界中でシンドロームを巻き起こした。K-コンテンツが注目され、韓国の俳優が米国の主要授賞式で演技賞を受賞する新しい時代が到来した。

イ・ミンホは最近、米ロサンゼルスで、イ・ジョンジェ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン、カン・ドンウォンら先輩俳優と酒席を共にする姿がカメラに捉えられている。

韓流の最前線に立つ俳優とされるイ・ミンホは、最近の状況についてどう考えているのか。

「幸せな時代に生きていると思います。ジョンジェ先輩もそうだし、多くの先輩たちがそう言っていました。ずっと年上の先輩たちがいて、 今の先輩たちがいて、またその次がいることでしょう。だからいつも黙々と、一生懸命やることが重要だと思います。私にできる範囲で、私を必要とするところで頑張るつもりです」

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