2024 年 5月 6日 (月)
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「新しく来た社長、24時間働くんだって…あっ、人じゃない」…韓国で話題

人工知能CEO「ミカ」(写真=ミカSNSアカウント)(c)MONEYTODAY

AI(人工知能)を搭載した人間型ロボットが企業CEO(最高経営者)を務め、韓国でも話題になっている。

ポーランドの酒類会社ディクタドール(Dictador)は9月、AIヒューマノイド(人間型ロボット)「ミカ」をCEOに任命すると明らかにした。ミカCEOは当時、「ロボットCEOとして、週末なしで年中無休、24時間働く」と宣言し、「AIによる魔法を呼び起こす準備ができている」と語った。

それから約1カ月、ミカはどんな仕事をしているのだろうか。米メディアのフォックスビジネスは5日(現地時間)、「ミカ、世界初のAIヒューマノイドロボットCEOになる」という記事を通じてミカの近況をのぞいた。

ミカは会議進行、潜在顧客リスト確認の他に、データ分析を通じた理事会決定などにも参加している。11日現在、ソーシャルメディア「リンクドイン」には、ミカの公式アカウントもある。「AICEO、正規職」というプロフィールが出てくる。

特に注目されるのが、データ分析による意思決定だ。広範囲で多様なデータを収集、分析し判断するのはAIの強みだ。この会社のオーナーであるマレク・ゾルドロフスキー会長は「単純な広報のためにミカを任命したわけではない」とし、「実際の会社運営に相当な貢献をしている」と主張した。ゾルドロフスキー会長はミカについて「偏見を持たず、会社の利益を優先するなど戦略的な選択をしている」と高く評価した。

ミカの開発は、香港を拠点とするロボット企業「ハンソンロボティクス」が担当した。ハンソンは国内にもなじみがないが、2016年にミカの姉格であるソフィアを開発、話題を呼んだ企業だ。ロボットが一定水準の人間に似ていれば、不便を与えるといういわゆる「不快な谷」理論がある。ソフィアはこの点でも注目され、その弟のミカが果たして不快な谷を抜け出せるか、関心が集まっている。

大きな争点になっているのが、AICEOが人々の働き口を奪うのかということだ。専門家はこのような変化が広がれば、数年内に企業の人事や業務処理方式に影響を与えると予測した。もちろん、これはチャンスになるかもしれないし、脅威かもしれない。

一部では、AIロボットが特定の人材需要を代替し、人の働き口を奪うという見方をしている。ミカCEOの事例はロボット経営者が人間職員を解雇するのではないかというディストピア的な展望まで起こす。

一方、AIロボットを適切に活用すると、生産性を高めるとの期待もある。ゴールドマンサックスは、世界企業の半分がAI人材を導入すると、世界の実質国内総生産(GDP)が10年間で7%増えると推定している。

ゾルドロフスキー会長は、AIが人を雇用したり、解雇したり恐れはないと主張する。「人事関連決定は人々で構成された経営陣がする」と話す。

(c)MONEYTODAY

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