
サッカー・ワールドカップでの早期敗退を巡り、韓国代表チームのホン・ミョンボ監督への怒りが収まらない。試合運営に対する正当な批判を超え、ホン監督個人へのやゆや脅迫にまでつながり、本質的な議論を曇らせかねないとの指摘が出ている。
警察によると、仁川空港警察団は30日、ホン監督とサッカー韓国代表選手団の入国時間に合わせ、仁川警察庁所属の機動隊3個小隊と空港警察団の人員など計110人余りを仁川国際空港に配置した。
スポーツを巡る論争が、競技場の内外での批判を超え、公権力が動員される状況にまで広がった形だ。
これは最近、ホン監督に向けた怒りが過熱し、オンライン上にホン監督を狙った殺害予告の投稿が掲載されたことなどを受けたものだ。28日、オンラインコミュニティー「日刊ベスト貯蔵所」には「私が矢面に立ってホン・ミョンボを殺害する」という趣旨の投稿が掲載された。投稿は現在削除されている。
ホン監督の入国を前に、ホン監督に卵を投げつけるという趣旨の投稿や、ホン監督を非難する内容の人工知能(AI)動画なども登場した。オンラインコミュニティーなどには「ホン監督が帰国すれば殺害予告を受ける可能性もある」といった趣旨の投稿も上がった。
この日の入国現場には多くのユーチューバーが訪れ、代表チーム到着前からライブ配信をした。現場で特別な物理的衝突は起きなかった。ただ、一部のファンは「ホン・ミョンボ出ていけ」と叫び、怒りを表した。
その後、チョン・モンギュ(鄭夢奎)大韓サッカー協会会長が姿を見せると、一部のファンは犬用ガムを投げつけた。
このほか、SNSやオンラインコミュニティーには「ホン・ミョンボは出入り禁止」という案内文を貼った飲食店、カフェ、コンビニエンスストアの写真が相次いで共有されている。
最近、あるコンビニエンスストアの出入口に「ホン・ミョンボは出入り禁止」と書かれた案内文が貼られた写真が広まり、話題になった。市内バスの前扉に「ホン・ミョンボ乗車禁止。乗車拒否」と書かれた紙が貼られた様子もオンラインで拡散し、注目を集めた。
競技力や戦術に対する合理的な水準の批判を超え、個人の怒りを、やゆを交えた一種の「ミーム」として消費している様相だ。
オンライン上の非難や個人攻撃が過度な場合、名誉毀損や侮辱など刑事上の問題につながる余地もある。
嶺南大学社会学科のホ・チャンドク教授は「一言で言えば『行き過ぎ』ということだ。サッカーの戦略や戦術への物足りなさから、ある程度批判されることはあり得るが、『ホン・ミョンボは入ってきてはいけない』というような形は過度な面がある」と述べた。
ホ・チャンドク教授はホン監督への脅迫について、「公人が背負うべき重みはあり、正当な批判は受け入れるべきだが、その範囲を超えて家族をおとしめたり、ホン監督の人格そのものを攻撃したりするのは行き過ぎた反応だ」と話した。
ソウル大学心理学科のクァク・グムジュ教授は「もちろん、誤った部分については責任を取らなければならず、原因を把握して不備を正していく過程も必要だ」としたうえで、「集団で一個人を過度に追い詰めるよりも、サッカー界が再び生まれ変わるきっかけとし、今後の計画を立てながら4年後を見据える発展的で建設的な議論が必要だ」と述べた。
さらに「個人への人身攻撃や中傷的なミームが広がることは、別の加害になり得る。今は誤りを補い、今後どのようにより良くしていくかを考える、より建設的な方向の議論が必要な時だ」と強調した。
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