2024 年 5月 6日 (月)
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[KWレポート] 詐称インスタ…“もうひとりの私”に、あなたもゾッとする (上)

家に差し込む日差し、町の猫、妻が整えた食卓、ペット犬、取材した内容まで、全ての写真がコピーされて作られていた「偽アカウント」。名前まですべてが同じだった。ゾッとした(c)MONEYTODAY

私は自分の名前「ナム・ヒョンド」をインスタグラムの検索ウィンドウに入力してみた。これといった目的もなく、たまにやることだが、今回はびっくりした。ナム・ヒョンドが2人いるのだ。プロフィール写真も一緒で、一つは本当の私、もう一つは「私じゃない私」だ。

このアカウントをクリックしてみると、IDが長くて意味のない英語でつづられていた。名前、プロフィールの言葉、写真、お気に入りのストーリーまですべて同じ内容だ。

記者の実際のインスタグラムアカウント。上記のアカウントと変わりはない(c)MONEYTODAY

フィードの投稿は33個あった。写真は全部転載され、言葉もそのままコピーされ、貼り付けられたようだ。ゾッとした。フォロワーは451人。作成してからかなり時間が経過しているようだが、ふと疑問に思う。私なんかを、いったい、どうして……。

「こうしたことは、芸能人やインフルエンサーだけがやられることではないのか」

何の目的なのか。ひどく嫌な思いをし、不快になり、直ちに通報した。

詐称アカウントのユーザーに声をかけてみた。答えがなかった(c)MONEYTODAY

◇「通報」してもなくならなかった

「私を詐称したアカウントがある」。こうインスタグラムに通報した。「通報者は、被害に遭った本人だ」と伝えた。手続きは思ったより簡単だ。

1時間後に見てみると、依然として、偽物のアカウントがそのままあった。本当の名前のわからない彼は、ストーリー(24時間後に消える投稿)まで2件投稿していた。3時間後も何も変わっていなかった。

「詐称アカウント被害」と検索すると、次々と同様の事例が出てきた。通報しても簡単にはなくならないという。

「著作権被害」として通報してみた。こちらは手続きが複雑で、身分証明書を持って、本人であることを証明する必要があった。顔写真は会社のトイレで撮影して送った。

フォロワーに「通報してほしい」と要請した。詐称アカウントは容易には削除されず、他に方法がなかった(c)MONEYTODAY

◇それでも消えない。フォロワーに助けを求めた

1日が経過した。翌朝、再び「ナム・ヒョンド」で検索してみた。だが、そのままだった。偽のナム・ヒョンドにDMメッセージで話しかけてみた。「こんにちは、ナム・ヒョンドです」。答えがなかった。

午後になっても詐称アカウントは消えない。仕方なくストーリーに載せ、フォロワーたちに助けを求めることにした。

「こんにちは、ナム・ヒョンド記者です。詐称アカウントを見つけました。通報していただければ幸いです」

「みんながどうしたんだ」と心配してくれ、通報してくれた人も多かった。同じ被害を受けたという人もいた。大勢が通報すれば、修正されるだろうと思った。

(c)MONEYTODAY

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