2024 年 5月 18日 (土)
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[KWレポート] 中国で「K-ビューティー」は生き残れるのか (2)

中・低価格市場でC-ビューティーが攻勢

「IndiGO」にある「セフォラ」の売り場(IndiGO提供)©MONEY TODAY

世界最大の化粧品激戦地・中国。これまで優勢だった韓国産を、急成長する中国産が脅かしています。「韓流禁止令」や新型コロナウイルスの感染拡大、共同富裕――激変する中国市場で、「K-ビューティー」はどう「C-ビューティー」と競い合うべきか、その生き残り戦略を検証しました。(シリーズ2/6)

高速で成長する中国の化粧品市場。韓国の化粧品(K-ビューティー)の対中国輸出が増えた。だが、中国での存在感はむしろ低下している。

大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、中国でのスキンケア化粧品の国別輸入規模は、2018年は韓国が1位(25億4100万ドル)で輸入増加率72.1%に達していた。

しかし、2019年に日本が29億6400万ドルと、韓国を押さえて輸入国1位に浮上し、2020年には韓国は3位に落ち込んだ。特に2020年の輸入増加率では、日本とフランスがそれぞれ38.6%、48.8%を記録したのに対し、韓国は7.6%にとどまった。

誠信女子大ビューティー産業学科のキム・ジュドク教授は中国市場の現状を次のようにみる。

「中国では2018年まで、K-ビューティーが輸入1位のブランドの座を維持していた。だが、いまは欧州と日本のブランドに押されている。そもそも中国政府は韓流禁止令以前から化粧品産業の育成に対する確固たる意志があり、産業発展のためKビューティーの技術力を導入し、研究員を迎えるなど、力を注いできた」

「ドッツクリエイティブ(DOT Screative)」のチョン・デヒョン代表は中国の化粧品市場についてこう分析する。

中・低価格市場でK-ビューティーはC-ビューティーの攻勢を受け、撤退ムードが漂っている。高価格市場では「ロレアル(LOREAL)」「エスティローダー(ESTEE LAUDER)」「資生堂」などのグローバルブランドが優勢だ。欧州の高級ブランドや、技術力を認められる日本の資生堂などに押されている。「中国市場でまだ生き残っているKビューティーブランドは『雪花秀』ぐらい」(チョン代表)という状況だ。

◇「いつのKビューティー?」

北京市朝陽区の酒仙橋に位置する複合ショッピングモール「IndiGO」。中国のトレンドの最先端として有名なスポットの一つだ。総面積17万6000平方メートルの空間に商店はもちろん、369室のホテルが揃い、若年層や家族連れでにぎわう。

フランスの「セフォラ(SEPHORA)」は世界1位化粧品売場らしく「IndiGO」1階西エスカレーターのすぐ隣に位置している。黒と白の2色で装飾された店舗の入り口には洗練された美しさが溢れている。店に入った記者は従業員に韓国化粧品の売り場を尋ねた。

スタッフの案内に従って足を運ぶと、おなじみの名前が目に入った。「雪花秀」だ。売り場は店の入り口に近く、良い位置だ。雪花秀の売り場の前には「Laneige」「IOPE」があった。IOPEの下には、少し前まで韓国ブランドだった「Dr. Jart+」が小さく展示されていた。

「IndiGO」は、韓国人が多く住む「望京」地区から近く、韓国人留学生にも人気の「ホットプレイス」だ。それゆえ、韓国産の化粧品も多くあると考えていた。だが、しかし実態は逆だった。

女性従業員の史影影氏の説明はこうだ。「高価な商品は西欧のブランド中心で、よく売れる。韓国製品をわざわざ買おうという客は珍しい。韓国ブランドに好感を持つ客はまだ多いが、それでも売れるのは、相対的に価格の安い『Laneige』くらい」

消費者の考えはどうか。

ちょうど店を訪れた女性客の王娟さん(30代)に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「韓国の化粧品を愛用していたけど、最近は中国製が安い割には質が良くなり、そちらに乗り換えた。韓国製は値段がもっと少し下がれば、買う意思はある」

韓国産は高価な西欧ブランドと低価格の中国ブランドの中間にあり、さらに西欧側に近いように感じる。ただ、これを認めたとしても韓国ブランドは高すぎる――これが王さんの指摘だ。

(つづく)

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