
さらに、大きな問題は「若年層」での麻薬類の犯罪が急増しているという現実だ。
2013年に10~20代の割合は、麻薬類犯罪全体の10.9%に過ぎなかったが、昨年は34.2%と9年間で3倍以上増加した。
専門家らは、麻薬に早く手を出せば出すほど、長く中毒になる可能性があると警告している。
「青少年期に大麻を吸うと、成人になった後、幻聴のような精神病的症状が現れる危険性が高くなる」。ソウル大病院精神健康医学科のカン・ウング教授はこう指摘する。
このような麻薬中毒は、脳のドーパミン性回路である「中脳皮質辺縁系」に影響を及ぼし、ドーパミン系を活性化する。
ドーパミンは脳内の神経伝達物質で、思考力と快感に主に関与する。麻薬はドーパミンを強制的に排出し、瞬間的な快感を味わわせる。ドーパミンが瞬間的に急増すると、快感を感じるが過度に多くなると被害妄想、幻聴など統合失調症のような症状を引き起こす。
ドーパミン活性度が高くなった麻薬中毒者は、補償(麻薬)を探し回り、獲得しようとする「欲望期」を経て、実際に麻薬を探し出して消費する「完了期」に至る。
嘉泉大ギル病院精神健康医学科のチョ・ソウン教授は「完了期を経験した人は、再び補償を求める欲望期に移行する。麻薬によってドーパミンが活性化し、欲望期と完了期を繰り返す悪循環のくびきから徐々に抜け出すことが難しくなる」と解説する。
ナチスのヒトラーのように、憂うつ感と不安障害のある人は、一般の人より麻薬に簡単に手を出す傾向がある。彼らが麻薬にはまると、また別の麻薬にはまる可能性が高くなる。
例えば、憂うつな人がヒロポン中毒になると、コカインを探して中毒になる危険性が非常に高くなるという。
(つづく)
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