2024 年 5月 2日 (木)
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K-POPのルーツは黒人音楽…米大衆音楽学者の分析

「K-POPはブラックミュージックだ」©NEWSIS

米国の学者がK-POPを分析した本「K-POPはブラックミュージックだ」(原題・Soul in Seoul)がこのほど発刊された。K-POPの魅力を、黒人音楽との相関関係・親和性から明らかにした本だ。

著者は、大衆文化・音楽、メディア研究を手掛けるクリスタル・アンダーソン(CRYSTAL S. ANDERSON)米ジョージ・メイソン大教授(アフリカ系米国学)。黒人女性で、米国の黒人音楽とアジア大衆音楽を国際的な視点から研究している学者であり、ベテランブロガーだ。特にK-POP分野では、高い分析力、データベースの構築、雑誌の発行などに定評がある。

著者はこの本で、K-POPスターをはじめ、プロデューサー、エンターテイメント事務所へのインタビューと記録を引用しつつ、そのルーツが1960年代以降の米国黒人音楽にあるとみる。

著者は「K-POP第1世代」(ヒョン・ジニョンやソ・テジ、キム・ゴンモ、Solidら)が米国の黒人音楽との関わりを深めたことから始まり、それ以降の世代(H.O.T.やgod、Wonder Girls、少女時代、BROWN EYED SOUL、2PM、Psy、Lynら)まで、その影響下にあると主張する。

米国黒人音楽が世界的人気を集めて影響力を行使できるようになった背景には、その音楽だけが持つ独特な個性と魅力がある。米国のマイノリティである黒人の抵抗・批判精神はもちろん、黒人と非黒人間の民族的な協業システムや革新と冒険の連続が大きな役割を果たした。

K-POPはこのすべての特徴を受け入れ、高度な音楽戦略として使ったというのが著者の主張だ。こうした点が、K-POPが韓国を離れ、世界的人気を謳歌する原動力になったというのだ。

著者はまた、K-POPが、歌って踊るアイドルという次元を超え、ジャンルを超え、世代を超えて、多様化していることにも注目する必要性を説く。K-POPの商業性だけを強調してしまえば、K-POPがもつ音楽的革新性や創意性が軽んじられるおそれがあるとも指摘する。

K-POPをめぐっては、長すぎる専属期間、過度な練習、ハードな広報活動などの批判もある。一方で、K-POPがアイドルのビジュアルとパフォーマンスにおいて、新たな国際基準を生み出しているとも分析する。

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