2024 年 5月 6日 (月)
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BTSや「イカゲーム」だけじゃない!「Kリビング」輸出を見据え

Startup Story ~~ 成功のカギ

インターステラー パク・ソンヘ代表

パク・ソンヘ代表©MONEY TODAY

◇複雑な流通プロセスを排除

ブランド品をデパートではなくオンラインで購入する消費トレンドが広がり、取引のためのプラットホーム市場が拡大している。ファッション分野では「BALAAN」をはじめ「MUSTIT」「トレンビー」などのスタートアップ企業が頭角を現している。

だが、家具やインテリアのようなリビング分野のブランド品は依然、デパートが流通を掌握している状態で、プラットフォームは未開拓だ。インテリアのスタートアップ企業「きょうの家」がリビング分野のプラットフォーム市場を開いたが、主力は中・低価格ブランドの商品となっている。

ハイエンド、ラグジュアリー家具を求める顧客は、デパートや清潭洞(チョンダムドン)や論峴洞(ノニョンドン)の高級家具店に足を運ぶしかない。こうした構造を打破しようと、欧州ブランド家具市場を切り開き、プラットフォーム事業に参入したスタートアップ企業の存在が注目を集めている。

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◇世界的な高級家具ブランドをゲット

プレミアムコマース・プラットフォーム「アーレッツ」(ALLETS)を運営する「インターステラー」は、従来のビューティー・アパレル分野を拡張し、昨年11月初め、新たに海外家具の販売を開始した。

モダン家具の象徴とされる「ノール」(Knoll)をはじめ、ドイツの「クラシコン」(Classicon)、デンマークの「カール・ハンセン」(Carl Hansen) 、 「ベルファン」(Verpan) 、 スイスの「ヴィトラ」(Vitra) 、 フィンランドの「アルテック」(Artek)など、世界的な高級家具ブランドを多数確保している。

「これまではデジタル経験がなく、ブランド品はデパートで買わなければ、という意識が強かったですね。でも今は輸入ルートができ、デジタル学習度も高くなったので、同じブランド品をより安く購入できるオンライン市場が開かれました」

インターステラーのパク・ソンヘ代表はこう解説する。

リビング市場はファッション市場とは異なり、やり方が旧態依然に映る。清潭洞や論峴洞の家具店で、独占的にブランド家具を販売しているため、「顧客は定められた価格で購入せざるを得ない」とパク代表は指摘する。

◇現地ブティックから直接消費者に

パク代表は、現地ブティック(ブランド品メーカーの総販売店)を通じて欧州の高級家具ブランドと直接取引し、国内に直輸入するシステムを構築している。時差の影響で「退勤のない暮らし」が続く。

「BALAANなどのブランドファッションのプラットフォームのように1次卸売業者(ブティック)から顧客に配送できる流通経路を確保しました。その結果、500万ウォンで販売されている家具を300万ウォン台で販売しても、利益を残せる仕組みができあがったんですよ」

パク代表はこう明かした。

以前は、輸入業者が供給権を握り、価格を下げる必要のない事実上のカルテルであったという。「海外から直接消費者に配送して2~3次の流通プロセスを省略すれば、ハイエンド家具の供給問題を解消でき、価格競争力も高めることができます」

海外旅行の際、ファッション関連の商品は購入しやすいが、家具は難しい。払い戻しもできず、通関も困難だ。だが、アーレッツは、家具直送用の物流倉庫を現地に構え、韓国内の顧客に直接配送できるようにしている。これにより、国内の顧客の海外ブランド家具の購入費用を30%以上減らすことができるというのだ。

「ブランドファッションのプラットフォームは“レッドオーシャン”(競争が激しい既存市場)になりましたが、リビング分野は供給量と価格競争力を手にしたところが勝者になるでしょう」

パク代表はこんな見解を示した。

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◇元新聞記者、紙の世界からの転身

「インターステラー」の事業モデルは当初、商取引ではなかった。主力は、企業向け広告・マーケティングコンテンツの制作だった。

ウェブドラマ形式で制作された「イーマート」の広告は「2017大韓民国広告大賞」で銀賞を受賞した。電気自動車「テスラ」の韓国発売キャンペーン映像も「インターステラー」の作品だ。

パク代表の経歴もコンテンツに特化している。

大手紙、中央日報の記者からスタートし、女性ファッション誌「セシ(CECI)」創刊、女性向けファッション雑誌「インスタイル(InStyle)」編集長を経て、「中央M&B」(現JTBCプラス)の本部長を務めた。だが、20年間あまり身を置いた紙産業に限界を感じ、デジタルコンテンツ分野に飛び込んだという。

創業2年目にして100億ウォンの売上を達成したが、広告コンテンツだけでは成長に限りがあると痛感。コンテンツと商取引の結合を決断した。さらに、コンテンツにストーリーを加えて「商品を買いたいと思わせるプラットフォーム」として「アーレッツ」を発展させた。

ブランド家具・リビング分野への事業拡大は、パク代表の新たな決断だ。

「生活の質が、良いものを食べたり飲んだりすることから、今は空間に対する概念に変わってきています。良いテーブルや照明、香りなど、リビングに対する需要も急増しています」

BTSや「イカゲーム」だけではない。韓国のリビングブランドも、グローバル競争力を得られる――パク代表はこう見通している。今後は「Kリビング」の輸出だ。「韓国にある良いアイテムが、海外に進出できるようブランディングします」。パク代表は既に、次を見据えている。

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