「ビューティーテックの市場規模は2023年の591億4000万ドルから年平均(CAGR)14%ずつ成長し、2028年には1161億7000万ドルに拡大する」
グローバル市場調査機関「ザ・ビジネス・リサーチ・カンパニー」の展望だ。この報告書は特に、肌の健康や美容に関心が高く、人工知能(AI)など革新技術にも開放的な日本、韓国、中国など東アジアと北米地域を中心に市場が急成長すると予想した。
美容・ビューティー分野がAIなどに出会い、第2の全盛期を迎えている。革新技術がビューティー製品の「超個人化」を可能にし、病院レベルの専門ビューティーサービスの価格障壁を崩しているためだ。
ビューティーデバイス「MEDICUBE」で家で皮膚科施術レベルのサービスを享受できるようにした韓国のスタートアップ「APR」は企業価値1兆ウォン(1ウォン=約0.11円)以上と評価され「ビューティーユニコーン」に跳躍した。第2のビューティーテックユニコーンを夢見るスタートアップが続々と参入するなか、伝統的な化粧品大企業も革新技術を積極的に導入し、変身を図っている。
ビューティーテック業界で最も多く活用される新技術はAIだ。これにより、これまで難しかった「超個人化」に素早く対応できるためだ。業界は、個人化された製品であるほど消費者満足度が高くなり、付加価値創出も可能だと見て、オーダーメード型化粧品に対する研究開発(R&D)を続けてきた。この状況で、自動的に消費者を分析し、製品を探すAIは、個人化のための「万能技術」として作用するという。
業歴115年の化粧品企業ロレアルが今年初め、CES2024基調演説でAIを真っ先に持ち出したのも同じニュアンスだ。ロレアルはCESで、ロレアル版チャットGPT「ビューティージーニアス」を披露した。消費者が現在の状態を入力したり、写真を撮ったりして掲載すれば、最も適した化粧品を推薦するAIだ。
アモーレパシフィックもAI基盤の超個人化製品を発売している。オーダーメード型化粧品専用ブランド「カスタムミー」の「BESPOKE ESSENCE」などが代表的だ。アプリを通じて顔を撮影すれば、AIがシワ、色素沈着、毛穴など肌の状態を分析し、個人別に最適な成分で組み合わせた化粧品を作って配送する。アモーレパシフィックは、カラー化粧品などへAI活用分野を拡大している。
グローバルコンサルティング企業「InsightAce Analytic」は、ビューティーテックの中でもAIを結合した美容・化粧品市場規模が2021年の27億ドルから2030年には133億4000万ドルと、年平均19.7%ずつ成長すると見通している。特に最近は、小型家電や機器でも高性能AIを実現するオンデバイスAI技術が発展し、成長の勢いはさらに大きくなるものとみられる。
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