2025 年 6月 21日 (土)
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6兆円規模のカナダ潜水艦事業、韓国「チームコリア」が共同提案

イ・ジェミョン大統領(左)とカナダのカーニー首相=大統領室(c)news1

カナダ・アルバータ州で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の期間中、韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は17日(現地時間)、カナダのカーニー首相と会談し、エネルギー安全保障、防衛産業、人工知能(AI)などの分野で両国の協力を強化することにした。

イ・ジェミョン大統領は、韓国がカナダの潜水艦事業に参加する意向を表明し、長年の友好国でありグローバルパートナーであるカナダと安全保障・防衛産業協力を深化させたいという意志を伝えた。

カーニー首相も「韓国の防衛産業能力をよく知っている。今後、地域およびグローバルな安全保障協力のために両国が積極的に連携しよう」と応じた。

両国の協力強化は、韓国造船業界にとっては好材料と評価されている。ハンファオーシャンとHD現代重工業が海外潜水艦市場進出を狙っているためだ。

カナダ政府は最近、国防予算を国内総生産(GDP)比2%水準まで大幅に引き上げると発表した。今年だけでも約90億カナダドル(約9500億円)を投入して国防力を強化する方針だ。米国製兵器への依存度を減らし、自国の安全保障能力と供給網を強化する意向であることから、韓国防衛産業界には新たなチャンスが開かれるという期待感が生まれている。

「チームコリア」(HD現代重工業・ハンファオーシャン)は「カナダ哨戒潜水艦プロジェクト(CPSP)」を狙っている。3000トン級潜水艦8~12隻を導入する最大60兆ウォン(約6兆円)規模の事業だ。

競合関係にある両社は、それぞれ異なる海外企業と協力して受注に臨む予定だったが、国益のために海外の大型プロジェクトではワンチームによる受注を選択したとされる。

カナダメディアの報道によると、両社は最近、200億~240億ドル(約2.1兆~2.5兆円)規模のカナダ潜水艦導入事業に共同提案書を提出した。提案書には、2035年までにカナダ海軍に4隻の潜水艦を引き渡すことをはじめ、現地での整備施設建設やカナダ人の現地雇用などの内容が盛り込まれている。

両社はポーランドの「オルカプロジェクト」共同受注も狙っているが、カナダのプロジェクトの方が相対的に受注の可能性が高いという分析もある。

SK証券のハン・スンウォン研究員は「オルカは欧州連合(EU)やNATOのカルテルの影響があるため、受注の可能性について慎重にアプローチする必要があるが、カナダ潜水艦プロジェクトはポーランドよりその影響を比較的受けにくい。発注量を考慮した納期、現地化戦略、技術力の面で相対的に優位にあるため、受注の可能性は高い」と見ている。

ただ、まだイ・ジェミョン政権の内閣すら構成されていない状況で、受注の可能性について言及するのは時期尚早という見方もある。

造船業界のある関係者は「カナダ政府ですら具体的な事業計画を発表しておらず、韓国政府もまだ内閣を構成する前であるため、今回の首脳会談で言及された内容だけで受注期待感が高まったとは言い難い。海外の新規防衛産業(潜水艦)市場では、最初の突破口を開くのが容易ではなく、新政権の支援策やカナダ政府が求める潜水艦の仕様などがもう少し具体化される必要がある」と述べた。

(c)KOREA WAVE

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