
韓国のソフトウエア開発会社「ロッテイノベート」の電気自動車(EV)充電専門子会社「EVSIS(イーブイシス)」が、自社開発のPLCモデムを基盤とする超高速充電器を前面に押し出し、グローバル市場攻略を加速させている。
EVSISは16日、自社の技術を集約した240kWおよび400kW級の超高速電気自動車充電器を、最近、アメリカを中心に輸出していると発表した。
この製品には自社開発のPLCモデム(電力線通信技術)が適用されており、現在アメリカの電磁波認証(FCC)手続きを進めている。まだPLC基盤の充電器が本格的に商用化されていないアメリカ市場において、技術的な差別化を図ることが期待されている。
EVSISの充電器には「K-VAS」技術が中核として搭載されている。K-VASは車両のバッテリーと充電器の間でスマート制御をする通信プロトコルで、バッテリーの充電状態(SOC)、健康状態(SOH)、温度、セル単位の電圧などをリアルタイムで収集・分析できる。これにより、充電効率と安全性の両面を確保していると評価されている。
同社は、このPLCモデムとスマート制御技術を韓国内で開発・運用してきた経験をもとに、これをグローバル技術標準へと拡大することを目指している。そのために、実際の充電データに基づいた技術の高度化を継続しており、アメリカだけでなく日本などの主要国にも輸出を拡大している。
特に関税障壁の存在する環境においても、価格競争力と技術的信頼性を武器に、海外市場での実績を急速に積み上げている。
EVSISは新興市場の開拓にも積極的に取り組んでいる。最近では、韓国国際協力団(KOICA)と協力してキルギスでの電気自動車充電インフラ構築事業を進めている。そのために現地の経済商務省、交通省、首都ビシュケク市庁、国立大学などと協力関係を築き、市場調査のための現地調査団も運営している。
加えてEVSISは、次世代の充電インフラニーズに応えるため、未来型充電器および通信・制御技術の開発を継続している。これにより、グローバル市場での技術基盤による競争力を確保し、環境にやさしいモビリティエコシステムの拡大を主導したい考え。
さらにEVSISは、北米地域の主要充電事業者であるEVCS、ABMなどとの供給契約を通じて、現地での存在感を高めている。その他にも、インドネシアの政府開発援助(ODA)事業を通じた充電器供給や、大阪での現代モビリティ・ジャパンによる電気自動車充電器の設置など、アジア市場でも実質的な成果を上げている。
(c)KOREA WAVE