2025 年 3月 15日 (土)
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韓国型量子コンピューティングクラウドを初公開…専門企業「SDT」

QAOAベースのQUBO最適化技術の発表=SDT(c)KOREA WAVE

韓国の量子標準技術専門企業「SDT」は14日、シンガポールで開催された「スーパーコンピューティング・アジア2025」で、韓国型量子コンピューティングクラウドサービス「QuREKA」を公開した。

SDTが披露したのは、量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)を活用した「二次形式の制約なし二値変数最適化」(QUBO)問題の解決に関するチュートリアルセッション。

これは米半導体大手「エヌビディア(NVIDIA)」が主催したワークショップの一部で、エヌビディアの量子エコシステム内の主要企業のみが招待された。

SDTは、量子技術企業「Anyon Technologies」と共同でセッションを進行し、SDTのパク・ソヌ研究員がCUDA-Qとエミュレーターを活用した高度なQAOAの成果を発表した。

また、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のチェ・スヌォン教授が共著者として関与した論文の一部を応用したデモンストレーションも展開した。

QUBOは、金融分野におけるポートフォリオ最適化、リスク管理、資産配分、意思決定支援など、複雑な最適化問題を解決するための重要なモデルとされる。

さらにSDTは、自社開発したハイブリッド量子コンピューティングクラウドサービス「QuREKA」についても紹介した。

このワークショップに招待された企業には「SDT & Anyon Technologies」をはじめ「AWS」「A*STAR IHPC」「Pawsey Supercomputing Centre」「QuEra」「Continuum」など。

これらの企業を含むグローバルな量子コンピューティングの先導企業が参加し、関連技術や応用事例を発表するとともに、量子―古典ハイブリッドコンピューティング技術や量子加速スーパーコンピューティングの実現戦略について議論した。

また、ハードウェアに依存しないオープンソースの量子プログラミングフレームワーク「CUDA-Q」を活用した量子コンピューティングワークフローの実行方法を紹介し、量子―古典ハイブリッドアプリケーションの開発や性能ベンチマークのためのさまざまな技術も共有された。

特に「Anyon Technologies」は超伝導量子回路を活用した固体状態オンチップコンピューティング技術を発表し、量子コンピューティングの実用化に向けたアプローチを提示した。

さらに、AWSの量子コンピューティングサービスであるAmazon Braket上でCUDA-Qを用いて量子コンピューティングを実行する方法や、CUDA-Qを活用して「Continuum」の量子コンピューターにジョブを提出する方法なども実行した。

また、量子位相(Quantum Phase)推定を利用した量子化学問題の解決方法など、量子コンピューティングが科学や産業全般において実質的な変革をもたらす可能性についても議論した。

(c)KOREA WAVE

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