韓国で3日、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が非常戒厳を宣布した直後、野党「祖国革新党」議員らが通信アプリ「テレグラム」で交わしたやり取りが公開され、大きな注目を集めている。
祖国革新党のファン・ウナ議員は19日、自身のSNSを通じて「戒厳令発令当日、党の全員が迅速に国会本会議場に集結した。その際の緊迫した状況を垣間見ることができる議員団のチャット内容を公開する」として、当時のやり取りをスクリーンショットで共有した。
当時、同党のシン・ジャンシク議員が午後10時28分に「大統領が非常戒厳を発令した」と最初に報告した。これに対し、チョン・チュンセン議員が「完全におかしい」と応答し、他の議員も「おかしい」と同調した。
その後、議員間で緊急行動指針が議論され、チョン議員は「国会議長を拘束すれば戒厳解除の決議ができなくなる」と発言。シン議員も「国会に集まるべきだ」と強調し、全員が国会への集合を呼びかけた。当時代表だったチョ・グク(曺国)氏も午後10時47分に「国会に向かう」とチャットで伝えた。
その後、警察が国会への出入りを遮断している写真が共有され、議員の一部が「塀を越えて国会に入った」と報告。国会正門が閉鎖される中、一部の議員が不正規手段で議長と合流し、議長室に向かった様子が記録されていた。
その夜、議員らは非常戒厳に伴う軍部の動きにも注意を払い、軍ヘリコプター6機が国会周辺に到着したとの情報が共有された。また、暗視装置への対応や停電対策の必要性が議論された。
戒厳解除後の4日午後3時44分、チョ・グク氏はユン大統領の弾劾案の初稿を共有。ファン議員は「その夜、すぐに内乱罪を弾劾理由とする弾劾案を作成した。その速さは驚異的だった」と称賛した。その後、初回の弾劾案が否決されたものの、同党は最速で2度目の弾劾案を作成し、他党とも共有したという。
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