2026 年 6月 9日 (火)
ホーム政治「使命感だけでは働けない」韓国・若手官僚の民間流出が加速…人事停滞と地方移転論が拍車をかける公務員の危機

「使命感だけでは働けない」韓国・若手官僚の民間流出が加速…人事停滞と地方移転論が拍車をかける公務員の危機

公職者倫理委員会の就職審査制度(c)MONEYTODAY

「公職者だから、より多くを犠牲にしなければならない。もうそんな話は通用しません。ワークライフバランスを重視するMZ世代に、やみくもに使命感を求めるのは無理があります」

ある中央省庁の公務員はこう語った。

公職者の再就職審査がますます厳しくなるなか、ソウルにある政府省庁や公共機関の地方移転論議まで本格化し、若い公職者が民間企業へ転職するケースが増えている。特にイ・ジェミョン(李在明)政権下では、傘下の関連機関トップや民間協会ポストへの官僚の進出が事実上遮断され、人事の停滞が深刻化している。

政府省庁などによると、統一地方選挙が終わったことで、政府省庁と公共機関の地方移転論議が本格化しそうだ。ソウルに残る中央行政機関である外務省、統一省、国防省、法務省、金融委員会について、地方移転の可能性が具体的に取り沙汰されている。

特に、2025年の政府組織改編過程で「解体」の危機にまで追い込まれた金融委員会は、1年もたたないうちに再び世宗移転の可能性が浮上している。1級以上の高位公職者が傘下機関長に再就職する機会が大きく減り、公職者就職審査まで強化されて人事停滞が深まるなか、地方移転論まで重なり、ハイレベル公務員だけでなく課長級以下の若い公職者にも動揺が広がっている。

かつてはハイレベル公務員の民間転職が主な関心事だったが、最近は実務の中核人材である課長級公務員の離職が目立つ。実際、金融委員会の庶民金融担当課長と資産運用課長は2026年初め、それぞれメリッツ証券とサムスン証券に移り、金融委内部がしばらくざわついた。弁護士特別採用出身の資本市場調査担当課長も、同じころ大手法律事務所へ移った。

金融監督院の動揺はさらに大きい。2026年4月、金融監督院出身者5人が公職者倫理委員会の就職審査で全員不合格となる異例の事態が起きたためだ。元副院長は韓国信用情報院長に事実上内定していたが、就職承認審査で脱落する波乱もあった。2026年5月には5人が就職審査を申請し、4人は通過したものの、大手法律事務所へ移ろうとした銀行検査局出身の3級チーム長は「保留」判定を受けた。倫理委員会が以前より高い審査基準を適用したことが、大規模な脱落につながったとの分析が出ている。

金融監督院は政府省庁でも公共機関でもない無資本特殊法人だが、例外的に4級以上の職員が就職審査を受ける機関だ。入職から5年が過ぎると就職審査の対象になるため、事実上、全職員の自由な再就職が制限されているといえる。さらに賃金ピーク制により、2026年基準で1970年生まれまでが部長職を退かなければならなかった。こうした職員は、多い時には全体2300人のうち200人に達したこともあるが、再就職が難しいため、いびつな人員構造を維持せざるを得ない。

ある当局関係者は「就職審査で直近5年の業務関連性を避けるため、業務範囲が広い特定部署を避けたり、就職承認審査を受ける1級への昇進を嫌がったりする職員が増えている。金融会社と年収が逆転し、若い職員は機会があれば、より高い待遇を受けられる民間への転職を望んでいる」と話した。

(c)MONEYTODAY

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