2026 年 3月 13日 (金)
ホーム社会韓国で防犯カメラ急増、観察員は減少…1人で477台監視、未成年者誘拐事件の急増に対応追いつかず

韓国で防犯カメラ急増、観察員は減少…1人で477台監視、未成年者誘拐事件の急増に対応追いつかず

2025年9月4日、ソウル市西大門区の小学校前で発生した誘拐未遂事件現場(c)NEWSIS

韓国で未成年者を狙った誘拐事件が増加しているにもかかわらず、それを防ぐための監視・対応人員が著しく不足している実態が明らかになった。防犯の最前線である防犯カメラの台数は急増しているが、観察業務を担う人員はむしろ減少し、犯罪対応体制の空白が広がっている。

「国民の力」所属のパク・ドクフム議員が行政安全省から提出を受けた資料によると、全国の自治体が運営する統合管制センターに設置された防犯カメラは、2020年の44万台から2024年には65万台に増加(約47%増)した一方、監視を担当する「管制要員」は4355人から4093人に減少(6%減)した。

この結果、1人あたりが監視する防犯カメラ台数は305台から477台に増えた。行政安全省が内部基準として定めた「1人あたり50台」という目安の9倍にあたる。ソウル市では11万台の防犯カメラを387人で運用しており、1人あたり887台を担当。京畿道(864台)、蔚山(637台)、済州(558台)、大田(424台)など、主要都市では軒並み基準の10倍以上に達している。

さらに、各センターに配置される警察官も減少しており、2020年の458人から2024年には369人(19%減)となった。地域別では仁川が33人から17人、慶尚北道が31人から19人、全羅南道が31人から20人に減り、世宗市では1人も配置されていない状況だ。

こうした監視体制の脆弱化は、特に小学校周辺や通学路といった「子ども集中保護区域」において、犯罪リスクの高まりと直結すると懸念されている。

警察庁によると、未成年者を対象にした誘拐・誘導、人体売買などの事件は2020年の160件から2023年には236件に増加(48%増)、未遂事件も56件から92件へと増えた(64%増)。2025年1~8月の時点で誘拐関連事件は173件、未遂は75件が発生している。被害者の68%は12歳以下の小学生だった。

実際、2025年8月にソウル市西大門区で発生した小学生誘拐未遂事件では、防犯カメラを通じた初動対応の遅れが問題視された。警察は当初の通報後に現場周辺の防犯カメラ映像を確保したものの、容疑者の動きを初期段階で把握できず、メディア報道と追加通報を受けてようやく本格的な捜査が始まった。映像には、犯行車両が約3~4秒間停止していた場面が記録されていた。

行政安全省は、2027年までに全国の防犯カメラを「知能型監視システム」に転換する計画だが、専門家らは「AI導入よりもまず人員の確保が先だ」と警鐘を鳴らす。

(c)NEWSIS

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