2024 年 5月 18日 (土)
ホーム社会6年ぶりの韓国・防衛訓練…「忙しい!」とサイレンを無視した大人たち

6年ぶりの韓国・防衛訓練…「忙しい!」とサイレンを無視した大人たち

ソウルのある大型複合ショッピングモールで避難訓練に取り組む関係者(c)news1

韓国で今月23日、6年ぶりに国民を対象にした防衛訓練が実施された。農業従事者らは作業を放置して避難所に、学生たちは本を置いて体育館に、マート利用客はショッピングを中断して地下駐車場に待避した。ただ、一部には空襲警報を無視して訓練に参加しない市民もいた。

23日午後2時、国境地域に分類された江原道春川市(カンウォンド・チュンチョンシ)の行政福祉センターで空襲警報のサイレンが鳴った。住民30人余りは農作業の手を止めて、土のついた長靴で行政福祉センターの避難所に駆けつけた。

ここでは生化学攻撃を想定した訓練があり、近隣の軍部隊から運んだ煙幕弾2個を爆発させ、実際に近い状況を演出、住民たちは軍部隊関係者から化学兵器避難要領、防毒マスク着用法についての説明を聞き、実際に着用した。心肺蘇生法の訓練もあった。

釜山市金井区(プサンシ・クムジョン)区の図書館では本を読んでいた学生ら利用客が緊急避難した。親と図書館に来ていた30人余りの子どもも読んでいた本を置いて地下1階に向かった。

大邱市寿城(テグシ・スソン)区のスーパーでは、買い物客40人余りが職員の案内に従ってムービングウォークで地下駐車場に降りた。店内には「訓練空襲警報を発令します。職員の案内に従って避難してください」というアナウンスが繰り返し流れた。

ただ、市民の参加率は低調だった。空襲警報にも多くの市民が首を横に振るか、気乗りしない表情で足を運んだ。

ソウル市永登浦(ヨンドゥンポ)区庁駅出口前では公務員が通行人に「申し訳ありません。数分だけ待ってください」と頭を下げていた。訓練で地下鉄駅舎から外に出ることが午後2時15分まで規制されたからだ。

午後2時5分ごろ、50代の男性が「戦争でも起きたのか」と怒って外へ出ると、他の市民も次々とこれに続いた。40代男性は「待っている人だけが損をしているようだ」とつぶやき、傘を広げて街に出た。

京畿道楊平郡(キョンギド・ヤンピョングン)のムルチョン市場では、商人たちが空襲警報のサイレンも気にせず、客の相手をしたり、屋台の品物を整理したりするのに余念がなかった。市場の客たちは夕食のおかずを買うのに忙しい様子で、空襲警報が聞きたくないのか両手で耳を塞いで眉をひそめる人もいた。

今回の民防衛訓練は、北朝鮮のミサイル発射のような空襲状況が発生した場合、迅速な避難と対応要領を習得するための訓練で、2017年以降6年ぶりに実施された。

(c)news1

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