2024 年 5月 5日 (日)
ホーム社会高齢者が2時間かかっても始発に乗り、ソウル駅を訪れる理由…ぬくもりと無料給食

高齢者が2時間かかっても始発に乗り、ソウル駅を訪れる理由…ぬくもりと無料給食

13日午前9時、ソウル駅待合室2階に服を着込んだ人々が座って寒さを避けている(c)news1

韓国での早い冬の寒さに「貧困」も例年より早く現れている。特に、社会的安全網をまともに利用できない高齢層の苦痛が大きくなっている。

「お金がなくても座っていられる場所は多くありません。駅は、寒さを避けるにはぴったりです」

13日午前8時、ソウル駅舎2階の待合室。氷点下を記録するほど寒い天気だ。暖かい日差しが降り注ぐこの場所には、手袋と耳栓などで完全武装をした高齢者が集まった。3、4人ほど座っていた待合室は午前10時近くになると、40人あまりでごった返した。

ここで会ったパクさんは、仁川(インチョン)から始発に乗ってきたという。厚いダウンジャケットの中にウィンドブレーカーを重ね着し、耳栓までつけるという重武装だった。毎朝、食事を共にする「ごはんの友」を待っているそうだ。

「2時間ほど、ソウル駅の中で日差しを浴び、9時半ごろに友人たちと教会礼拝をして無料朝食を食べるのが1日の始まり。天気が良い時は外で動き回れたが、最近とても寒く、ソウル駅でなければ特に行くところがない」

パクさんはこう訴えた。

韓国では同日午前、最低気温が地域ごとに氷点下7度から3度の間を行き来した。今秋に入って最も寒い朝だった。

帽子とマスクをしっかりかぶって裏地の厚いジャケットを首の先まで上げたアンさん(63)は簡易宿泊所を転々とし、9月27日からソウル駅に泊まり始めた。近くの施設で寝てご飯を食べる時を除いては、いつもここに座っているという。「匂いで人々が不快に感じるのではと思い、朝夕に2回シャワーを浴びている」

突然寒くなり、薄いビニールジャンパーを着たまま駅舎で震えているので、近隣のボランティア団体が厚い綿のジャケットをくれたという。「ここにいればテレビニュースがいつも流れているのではないか。世間の動きを知ることができる唯一の窓口だ」。アンさんはこう話した。

13日、タプコル公園で無料で配られたおにぎりとスープ(c)news1

鍾路3街(チョンノサムガ)駅も同じだ。近隣にタプコル公園と無料給食所が集まっており、高齢者ら脆弱階層の流動人口が多い。

同日午前8時5分、ソウル市鍾路区のタプコル公園の円覚寺(ウォンガクサ)無料給食所には、すでに100人余りが長い列を作っていた。

近くに住む60代のファンさんは「ご飯とコーヒーミックス1杯が1日の食事のすべて。気力がないので体も震えて風邪もよく引く。物価が上がり続けているので、ここでの食べ物がなくなるのではないかと心配だ」と明かした。

60代男性は「政府支援を受けている。でも物価が上がりすぎるので到底生活ができない。ここで朝食を解決し、近くの他の無料給食所で昼食を解決した後、家に帰ってダウンを着込んで寝る」そうだ。

(c)news1

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