2024 年 5月 6日 (月)
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韓国LG化学、二次電池と海水淡水化に重点…非・重点事業売却へ

LG化学清州工場のROメンブレン生産ラインで水処理フィルターを点検する職員(c)KOREA WAVE

石油化学の市況悪化に突破口を探る韓国LG化学が、事業体質転換に乗り出した。収益性の低い事業群を売却する代わりに、二次電池や水処理など事業の多角化を図っている。

LG化学は麗水NCC(ナフサ分解施設)第2工場やディスプレーフィルムを生産する忠清北道(チュンチョンブクド)清州(チョンジュ)工場、梧倉(オチャン)工場の売却を進めているという。

背景には、石油化学部門がナフサ価格下落の直撃弾を受け、反騰の兆しを見せないことにある。フィルム事業もやはり中国産の低価格攻勢に押され収益性が悪化している。

LG化学のノ・グクレ石油化学事業本部長は7月、役員・職員に送ったメールで「競争力のない限界事業に対する構造調整は遅らせることができない。長期稼動中止、事業撤退、持分売却、合弁法人(JV)設立などで事業構造を再編し、これに伴う人材再配置を進める」と明らかにしていた。

LG化学は収益性が落ちる非・重点事業を整理する一方、未来事業に強いドライブをかけている。

二次電池に加えて推進しているのが、ROメンブレン(逆浸透膜)事業だ。

同社は先月、現在は2000億ウォン水準であるROメンブレン事業の売り上げを2028年までに2倍以上の4000億ウォン水準に拡大するという目標を明らかにした。

ROメンブレンとは、逆浸透圧によって海水を淡水や工業用水などに変える際に使われる水処理素材だ。海水の塩分を除去して実生活に使用可能な用水を供給する。

ROメンブレン事業の売り上げ構想は、LG化学の総売り上げ(昨年約50兆ウォン)に対しては微々たるもののようだが、そこには錯覚がある。

ROメンブレンは一度受注すれば、着実な交換需要がある。通常、交換周期は3~5年。淡水の特性上、ROメンブレンを初めて受注した企業が引き続き交換を求めるため、収益性を維持できる。

最初の可能性を確認したのがイスラエルの事例だ。同社は5月、イスラエルで年間1億トンの海水を淡水化できるROフィルター3万個余りを受注し、水処理事業の競争力を確認した。アフリカや中東は飲料水に変換できる水処理システムが整備されておらず、海水淡水化技術が不可欠だからだ。

2015年に量産を始めた清州工場拡大構想もROメンブレン事業強化の一環だ。

LG化学は2025年までに1246億ウォンを投入し、清州工場敷地内に年産40万個規模のROメンブレンを生産できる工場を増設する。大規模ROメンブレン構築により韓国市場の産業用水製造、下水・廃水再利用などの分野で持続可能な事業体制を維持するという戦略だ。

LG化学は現在、世界の海水淡水化ROメンブレン市場でシェア2位。

(c)KOREA WAVE

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