韓国・現代自動車グループの代表的な新事業であるモーショナル(ロボタクシー)とスーパーナル(都心航空)が苦戦している。予想より事業推進速度が遅くなり損失規模が幾何級数的に膨らんでいる。追加投資が必要な状況に追い込まれ、現代自動車グループの悩みも深まる見通しだ。
現代自動車の四半期報告書によると、モーショナルは今年第3四半期末基準で約6008億ウォン(1ウォン=約0.1円)の営業損失を記録した。スーパーナルの損失金額も2777億ウォンに達し、ロボット会社ボストンダイナミクスを子会社とする米国法人HMGグローバルも2520億ウォンの赤字を計上した。これらの会社の損失規模を合わせると、1兆ウォンをはるかに超える。
モーショナルは、現代自動車グループが自動運転技術の確保のため、2020年に米アプティブ(Aptiv)と50対50で設立した合弁会社だ。現代自動車と起亜自動車、現代モービスなどは、モーショナル設立のために2兆ウォンを超える資金を投入した。だが、モーショナルは設立初年度の2315億ウォン損失に始まり、2021年5162億ウォン、2022年7517億ウォンなど継続的に損失を計上し、追加投資が必要な状況に追い込まれている。
モーショナルは現代自動車の電気スポーツ実用車(SUV)であるアイオニック5をベースに完全無人自動運転ロボタクシーの商用化を推進するという計画だったが、最近、米国でロボタクシーが相次いで事故を起こし、事業推進に困難をきたすものと予想される。実際、ライバル会社のゼネラルモーターズ(GM)傘下の自動運転企業クルーズ(Cruise)は先月、ロボタクシー事業を無期限中断した。
2021年に発足した先端航空モビリティ(AAM)会社のスーパーナルと現代自動車グループのチョン・ウィソン会長が私財まで投じて投資したロボット専門企業ボストンダイナミクスも困難さは同じだ。スーパーナルは昨年、1956億ウォンの損失に続き、今年の損失規模がさらに大きくなるものと予想され、ボストンダイナミクスもいつ利益を出せるかわからない状況だ。
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