2024 年 5月 11日 (土)
ホーム社会韓国・パンデミック時、子どもの世話になった高齢者夫婦の割合↑…「公的ケア空白のため」

韓国・パンデミック時、子どもの世話になった高齢者夫婦の割合↑…「公的ケア空白のため」

写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1

新型コロナウイルスのパンデミックを経て、韓国で高齢者夫婦だけの世帯割合が減り、子どもと一緒に暮らす高齢者夫婦が増えたという研究結果が出た。パンデミックで発生した「ケア空白」を解決する自助策だったと見られている。

大韓保健協会によると、同徳(トンドク)女子大学校保健管理学科研究チームは最近、協会学術誌「大韓保健研究」にこのような内容の「新型コロナウイルス感染パンデミック前後の配偶者ケア負担実態と要因」研究結果を掲載した。

研究チームはパンデミック前後の高齢者配偶者のケア負担の変化と、ケアに影響を及ぼす要因を調べるために、韓国雇用情報院の韓国高齢化研究パネル調査7次(2018年:流行前)や8次(2020年:流行後)資料を活用して配偶者にケアされる65歳以上の高齢者420人を分析した。

高齢者が高齢者のケアをする老々介護の状況はますます深刻化している。配偶者にケアされる高齢者の平均年齢は流行前の77.67歳から流行後は79.13歳になった。ケアされる高齢者の性別は流行前は男性81.5%、女性18.5%で男性の割合が高かった。しかし、新型コロナウイルス感染の流行が本格化した後は、男性74.9%、女性25.91%と男性の割合が減り、女性の割合が増える傾向になった。

分析対象の高齢者は平均1.97個の慢性疾患があり、主観的健康状態が悪いと考えた人が多数(98.1%)だった。ただ、点数が大きいほど日常生活を自分でできないと解釈される日常生活遂行能力(ADL)は7点中平均1.77点、買い物や家事など日常の生活での単純な動作ができる手段的日常生活動動作(IADL)遂行能力は10点中平均5.42点だった。

ケアを提供される時間は、新型コロナウイルスの流行前後の平均3.91時間だった。これについて、研究チームは「流行前後のケアを受ける高齢者の健康状態の特性を比較した結果、統計的に大きな差はなかった」と述べた。

受益者の大多数は男性であり配偶者である女性によってケアを提供される割合が大きい。提供者の年齢も65歳以上で、受益者と提供者の両方が老年期に入る状況が発生し、高齢者が高齢者の世話をする老々介護が急速に増加すると予測している。

特にケアされる高齢者の世帯員数は流行前の2.48人から流行後2.76人に増加した。高齢者夫婦だけの世帯の割合は流行前71.81%から流行後60.1%に減少した半面、子どもと一緒に暮らす高齢者夫婦は流行前23.79%から流行後36.27%に増加するという変化が現れた。

研究チームは「明確な究明は難しいが、高齢者の世話をする高齢者配偶者の場合、一人で世話をするのに身体的、精神的、経済的限界に達しただろう。公的社会システムで支援された公的ケアが制限され、空白を埋めるために家族構成に変化があった」と診断した。

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