韓国のガールズグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」を擁する所属事務所「ADOR(アドア)」の代表であるミン・ヒジン氏が、社内で発生したセクハラ事件を隠蔽しようとしたとの告発が浮上した。しかし、ミン代表は「私が加害者を庇ったり、代表取締役として客観性を欠いたというのは虚偽だ」と反論している。
この問題は、2024年2月に発生したセクハラ事件に端を発している。報道によると、ADORの幹部である役員が、広告主との食事の場で、女性社員に対してセクハラ発言をしたとされる。女性社員は1カ月後の3月2日に退職の意向を示し、6日に親会社「HYBE(ハイブ)」に対し、セクハラ・職場でのいじめ行為として役員を告発した。
HYBEは証拠不十分で「無罪」と結論付けたが、役員の行動が不適切であったとして、ミン代表に対して「厳重な警告」を勧告した。しかし、ミン代表はこれを受け入れず、逆に女性社員が退職を前に報復目的で告発し、役員を擁護したと伝えられている。
さらに、ミン代表は役員に対して、女性社員に関する悪口を述べたとされている。公開されたメッセージによると、ミン代表は役員に対し、対抗措置を取るよう勧め、「真実を突きつけろ。この女性に教えてやり、チャンスを与えたのに、信じられない。私の感情を傷つける罪か?」と述べていた。
これに対して、女性社員は9日、声明を発表し、「ミン代表が本当に中立的に調停したとは言えない。代表として受け取った告発内容を役員に逐一伝え、役員の異議申立内容を提案し、検討していた。調査前から代表と役員が手を組んで告発を隠蔽し、告発者を侮辱していた状況で、調査が公正に進められたかどうかは疑わしい」と指摘した。
また、女性社員はミン代表が自分に対し、2次的な加害を加えたとし、「セクハラや職場内のいじめ事件では、告発者と被告発者を分離するのが常識であるが、ミン代表は役員と私を3者対面させ、さらにはHYBEと事件当時に会合に参加していた広告主を加えた4者対面を求め、告発者に圧力をかけた」と主張した。
ミン代表は代理人を通じて声明を発表し、「私が一方的に役員を庇ったり、嘘をついたりしたという虚偽の事実を広め、代表取締役として中立性と客観性を欠いたという歪んだ事実を強調している」と主張した。
またミン代表は、女性社員が基本給だけで年俸1億3000万ウォン(約1300万円)を受け取っていたが、業績不振により年俸の40%削減され、退職することになったと述べた。女性社員が純粋にセクハラ被害だけで退職を決意したわけではないという。
さらに、セクハラ事件に関しては「怒りによる虚偽告発は、他人の人生を台無しにする恐ろしい行為だ。女性社員の告発には虚偽事実が含まれていた」と主張した。
ミン代表は、自身がHYBEと法廷闘争をしているタイミングで、この事件が再燃したことに疑問を呈し、「ちょうどHYBEがさまざまな問題でメディアから集中砲火を浴びている時期に、突然、女性社員が現れ、わざわざ私を公開的に謝罪に追い込もうとすることに違和感を覚える」と述べた。
これに対し、女性社員はミン代表が本質を見失っていると指摘した。13日に自身のSNSで「ミン代表が声明を公開した直後、その深夜に77通のメッセージを送ってきたが、謝罪の一言もなかった」と述べ、「ミン代表の声明は、私が仕事ができなかったということが主な内容だが、事件の焦点は社内のセクハラを隠蔽したかどうかだ」と強調した。
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