2024 年 4月 29日 (月)
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田舎の家の屋根で見つけたコケに魅せられて…韓国ベンチャー代表が土壌回復で画期的技術

コードオブネイチャーのパク・ジェホン代表(c)MONEYTODAY

韓国のベンチャー「コード・オブ・ネイチャー(Code of Nature)」が開発した土壌復元キット「モスビー」が済州島(チェジュド)の荒れ地や忠清南道泰安(チュンチョンナムド・テアン)の干拓地の土壌回復で成果を挙げ、米国など海外に進出する準備を進めている。

全ての始まりはパク・ジェホン代表が田舎の家の屋根で遭遇した「ヤノウエノアカゴケ」だった。若くして独自のコケ培養液を活用し、土壌を早く回復させる技術を開発した。大学時代に数々の創業公募展に入賞。審査委員を務めたベンチャーキャピタルから「投資するので実際に事業化してみないか」と声が掛かり、2021年に創業しながら大学院に進学した。

モスビーはコケ胞子培養液、微生物液と栄養供給液を結合したもの。水で薄めてドローンなどで空中散布すると、荒れ地にコケが根を張り、土壌内の炭素と有機化合物の量が増える。土地の生命力が回復するのだ。熱を加えて汚染物質を分離したり、化学物質で洗い流す従来の土壌復元と違って環境にやさしく、費用も安い。

海外も注目しており、パク・ジェホン氏は「植林は土壌が基本。そのために私たちのキットを使う方法を米国企業と議論している」と話した。また、月の土壌で植物を育てる研究を他の海外機関と3月から始めることになっているという。

同社は「現在、米国で技術実証を準備中であり、年内に台湾と中国でも技術実証を進める」と明らかにしている。

コケとの遭遇から10年。パク・ジェホン氏は「コケの研究ができて本当に幸せだった。コケという素材を使うことができれば面白そうだと思ってここまで来た。私はとても運が良いケースなのだろう」と謙虚に話した。

(c)MONEYTODAY

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