現場ルポ
チェさんはバスに乗っても柱を注意深く見た。降車ベルの位置を見極めるためだ。チェ氏は「他の乗客がベルを押した時、赤色の光を放つところが降車ベルの位置。バスごとに降車ベルの位置が違うので、あらかじめ知っておかないと、降りる時に慌てることになる」と話す。
「そのほかに、バス利用に難しい点があるか」と尋ねる。すると、チェさんは「バスが歩道から遠いところに停車すれば、視覚障害者が足を踏み外す危険がある。またバスの側面に路線番号が小さく書かれて見えない時がある」という。
チェさんは「それでも私は低視力障害者」という。「目の前が全く見えない『全盲』は誰かが助けなければ、バスを全く利用できず残念だ」と指摘する。
ソウル市は今月4日から「交通弱者バス乗降ヘルパー」アプリをテスト運営している。アプリはApp store(アップストア)、Google Play ストアからダウンロードできる。
アプリを実行すれば、▽高齢者▽妊婦▽視覚障害者▽肢体障害者――ら交通弱者の4タイプのうち、一つを選ぶ。市内バス路線を一つ選択し、バス運転手に「搭乗予約」をする。バスの運転手はまもなく到着する停留所に交通弱者が待っていることがわかるようになる。
また、バス搭乗口に設置されたスピーカーから路線番号を大きく案内し、視覚障害者が自分が乗るバス停車位置を知ることができるようにした。降りる時にもアプリで「下車予約」をしてバス運転手に知らせることができる。
ソウル市関係者は「年末までサービスを試験運用する。サービス利用率などを考え、サービス拡大を検討する」と明らかにした。
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