韓国が猛暑に見舞われている。疾病管理庁の熱中症監視システムによると、今年の熱中症患者30.9%は65歳以上の高齢者だ。多くは午後3時~4時の間(11.4%)に屋外作業場(30.7%)で発生した。特に「小部屋村」の暑さは厳しい。高血圧など基礎疾患のある住民が多く、回復しても後遺症は重い。単身世帯が大部分なので危険時の対処能力もぜい弱。「殺人的暑さ」が現実なのだ。低所得者層が集住しているソウル市龍山区東子洞(ヨンサング・トンジャドン)の小部屋村で1泊2日し、その暑さを体験した。
◇24時間「蒸し風呂」東子洞…扇風機から熱風
今月3日午後1時、東子洞の小部屋村を訪れた。日中の最高気温が38度に迫り、猛暑特報が出ていた。ソウル駅を出て上り坂を10分ほど歩くと汗が滝のように流れた。
家主に連れられ、息が詰まりそうな、電灯一つないセメント廊下を歩いた。すねの高さほどの階段を上ると、1日お世話になる「3階5号」が目に入った。
「きれいでしょ? 5つの部屋の中で一番いい部屋だよ」
部屋の片隅に荷物を解いた。冷蔵庫と机兼クローゼット、座卓で部屋の中はぎゅうぎゅう。窓から入る日差しが部屋中を照らす。
壁と床は熱く、座って5分もたたないうちに肌がヒリヒリしてきた。来る前に買った温度計は午後3時で34度。まるでサウナだ。
我慢できず外に出た。坂を下ると空き地があり、東子洞の住民たちが午後8時ごろになると20人近く出ていた。日が暮れると涼しい風が吹くからだ。
住民らは段ボールを広げて座っている。ぼんやりと空を見たり、おしゃべりしたりしながらプラスチックカップに入った水を飲んだりしていた。
「夜も部屋は暑くて入れない。蚊も多い」とある年配男性が言った。午後6~7時ごろに夕食を食べた後、いつも空き地に座って2~3時間ほど風に当たる。扇風機をつけても出てくるのは蒸し暑い風。寝る時以外はいつも外に座っているという。
部屋に戻って壁掛け扇風機をつけてみた。空気が室内を回るが、熱気はどうにもならない。10分たっても気温は33.4度あった。
夜風が吹く外部は28度。あえて部屋の中に座っている必要はないという言葉が理解できた。
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