2026 年 4月 28日 (火)
ホーム社会「40歳の息子が結婚しません」70歳の女子中学生がAIロボットに人生相談?…韓国・笑いと感動の識字教室

「40歳の息子が結婚しません」70歳の女子中学生がAIロボットに人生相談?…韓国・笑いと感動の識字教室

学習者のキム・フドクさん(左)と、識字教育教師のキム・ソンイルさん(c)news1

「40歳を過ぎた息子がいるんですけど、なかなか結婚する気にならないんですよ」

遅れて学び始めた学生が、生まれて初めて向き合った人工知能(AI)ロボット「マスクボット」に、いきなり胸の内を打ち明けた。マスクボットの答えは「良い縁に出会えるでしょう」という、ややありきたりなものだったが、それでも本人は新しい体験ができたことに満足していた。その様子を見ていた息子世代の教師は、人とAIのぎこちなくも純粋なやり取りに大笑いした。

70歳の中学生、キム・フドクさんと、40代の識字教育教師キム・ソンイルさんによる「特別な外出」の一場面である。2人は韓国のユーチューブチャンネル「模範生」に出演し、不慣れながらもさまざまな経験を重ねながら成長を続けている。

「模範生」は、大人が識字教育の授業に親しみやすく触れられるよう、バラエティー要素を加えた生活密着型のオンラインコンテンツだ。スマートフォンの使い方から航空券の予約、テーブルオーダーでの注文、中古取引アプリの利用まで、日常生活に必要な多様なテーマを扱う。

常連出演者のキム・フドクさんは、60歳の時、先に学び始めていた友人に手を引かれ、初めて通学かばんを背負った。ただ、識字学校「青い母の学校」の門をくぐるまでには1カ月もかかったという。キム・フドクさんは「自分の名前をやっと書ける程度だったので、プライドが邪魔して時間がかかった」と振り返る。

同じような境遇の遅れて学び始めた仲間と打ち解けるうちに、すぐ勉強の面白さに目覚めた。学ぶ意欲も膨らんだ。飲食店を営みながら生計を立てていたが、勉強のために店もたたんだ。学び始めて10年がたった今は、中学校課程に取り組んでいる。

一方、母親世代の学習者を導くキム・ソンイル教師は、「青い母の学校」で遅れて学び始めた学生を教えるボランティア講師だ。大学卒業後、就職前に意味のあることをしようと思って始めた活動が、そのまま生涯の奉仕につながった。

専門分野は、本人いわく「すべての科目」だ。キム・ソンイル教師は「ハングルから数学、英語、社会、科学といった基礎科目だけでなく、スマートフォンやパソコンなどデジタル・生活識字の分野まで全部教えている」と笑う。

識字教育は、単にハングルを覚え、九九を暗記することだけを指すわけではない。飲食店のキオスク(無人注文機)の使い方や、銀行アプリによる送金方法など、日常全般で求められるデジタルや生活の力まで含まれる。

「模範生」も、こうした流れを踏まえ、今本当に必要な識字教育を届けている。AI家電やスマートフォン、キオスクなど、AIとデジタル機器の使い方や知識を学ぶ内容だ。

キム・フドクさんは「こんな体験を自分がまたできるだろうか、と思って挑戦した」と、「模範生」に加わった理由を語った。

インタビューの間じゅう、キム・フドクさんは識字学校と「模範生」をたたえ続けた。「授業が始まる1時間前には登校するほど学校に行くのが楽しくて、『模範生』で新しい体験をさせてもらえるのも全部面白かった」と話す。キム・ソンイル教師も「いろいろな心配を抱えて生きてきた年齢で、学ぶことでこれほど幸せを感じる人がどれだけいるだろうか」と語った。

識字教育を必要とする成人は約377万人に上る。デジタル機器や技術の活用に苦労する「デジタル非識字層」は1109万人に達する。だが、キム・フドクさんのように実際に支援を受けている成人学習者は10万人にとどまる。国が無料で識字教育を提供していること自体を知らない人が多いうえ、年を重ねてから新たな挑戦に踏み出すことをためらう人も少なくないためだ。

成人識字教育の機関は、実は身近なところにある。教育部の成人識字教育支援事業を通じ、2026年に識字教育プログラムを運営する機関は全国446カ所に上る。最寄りの機関は国家識字教育センターのホームページで探せる。国家平生教育振興院のユーチューブチャンネルを訪ねれば、「模範生」を通じてオンラインの成人識字教育プログラムにも参加できる。

キム・フドクさんは「勉強には時期があると言うけれど、自分にとっては今がその時だと思って続けている」と語る。そのうえで、「ユーチューブ出演を通じて、一生できないような体験や有名な人たちとの出会いまであって、勉強にすっかり夢中になっている」と笑った。

(c)news1

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