2025 年 1月 9日 (木)
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「犬食用委員会」、2年連続で「足踏み」 [KWレポート] 犬肉は過ぎ行く (4)

戦争記念館前で記者会見を開く大韓育犬協会の会員ら(c)news1

「犬食産業」を巡る社会的合意のために発足した韓国政府の「犬食問題議論のための委員会」が2年間、空転している。

内部で立場の差が大きく、結論を出せずにいるようだ。

韓国政府が同委員会を発足させたのは2021年12月9日。当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領がキム・ブギョム(金富謙)首相との定例会合で「犬食禁止を関係部署で慎重に検討してほしい」と指示した。これを受け、首相主宰で開かれた「国政懸案点検調整会議」で社会的議論機構として「犬食委員会」が構成された。

「犬食委員会」は動物保護団体、犬肉業界、専門家、政府関係者ら計21人が参加しており、ソウル大学行政大学院のチョン・グァンホ教授が委員長を務めている。

「犬食委員会」はこの2年間、全体会議と小委員会会議を通じて社会的合意の形成を試みたが、「犬食廃止が時代の流れ」という認識が一定広がっただけで、まだ何の結論も出ていない。

発足当時、活動期限は2022年4月までとしていたが、同年6月までに延期され、さらに「無期限」延長された。

◇「犬食委」の役割に懐疑的な見方

委員会では、動物団体を中心とした犬食産業反対論と、肉犬協会を中心とした賛成論が激しく対立している。

動物団体は、犬食産業における飼育、食肉処理過程の残酷さと違法性を指摘する。飼育過程で、犬は短い鎖で縛られたまま、狭い空間で過ごす。食用で飼育される犬には生ゴミが餌として与えられる。これは犬の健康に良くないだけでなく、伝染病や食中毒発生の危険もある。

一方、肉犬協会は、食用肉供給の立場から、自分たちが被る経済的不利益を強く心配している。「職業の自由と生存権に対する侵害だ」と抗弁し、「犬の食用禁止は、国民の基本権への侵害だけでなく、1000万人の法律違反者を生むことになる」と批判する。

そのうえで「犬食禁止が、韓国の最重要課題であるならば国民投票で決めるべきだ。それが不可能ならば、特別法を制定して関連農家と業者、食堂などを対象に1カ所当たり、数十億ウォン(1ウォン=約0.1円)ずつ補償すれば良い」と主張している。

委員会内部ではこうした対立が繰り返され、「犬食委員会」の役割に懐疑的な見方が広がっている。

チョン・ギョングン(鄭煌根)農林畜産食品相は「犬の食用委員会で、食用禁止に対する結論を出すのが一番良いと思うが……」と言葉少なだ。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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