現場ルポ
「これが工場なの? モナミ売場なの?」
韓国の文具企業「モナミ(MONAMI)」のモナミストア聖水店に入ると、文具売場とは思えない光景が広がっていた。訪問客が一方では万年筆のインクを自分でつくり、他方では紙を選んでノートを作っていた。
一般に「文具店」を連想した時に思い浮かべる姿とはやや距離があった。
モナミが今月1日にソウル市城東区聖水洞にオープンさせたモナミストア聖水店。そこには「モナミファクトリー」をテーマにした体験型売場がある。1963年、かつてのモナミ聖水洞工場をモチーフに、消費者らが直接「モナミ製品」を作り、購入できるように仕立てた。
文具製品を収集する「文具オタク」の間で口コミが広がり、初日に約1000人(モナミ推定)が訪れるほど人気を集めた。1日中、各種文具売場をツアーする文具オタクたちにとって、新しい「聖地」になるものとみられる。
◇「終わらない体験ゾーンに面白さを最大化」
モナミストア聖水店は、赤レンガやウッド素材を使ったインテリアが、かつての建物を思わせる暖かい空気だった。
レンガの隣のステンレス家具も調和し、実際の工場を訪れたような感じを与えていた。売場の一角では、実際にモナミ工場でボールペンを作る時に使っている機械が回っていた。
ショップで最も目立つのは「インクラボ」。各種インクを組み合わせて、オリジナルの万年筆インクDIY(Do It Yourself=自分でやってみよう)が体験できる。
実際に「インク研究所」が浮上する白いタイル、ステンレス机で構成された空間には、15個の水性染料インクとガラスビーカーなどが備え付けられている。
インクラボに座ると、スタッフから10分間、説明を受け、40分間、実際に体験した。基本インクをガラスビーカーに1滴ずつ入れて調色した後、気に入った色が出たら、テスト用紙に配合比率を記載する。
色の組み合わせが難しいのではないか、と心配したが、各色の1:1混合色の例を見せる調色図もあって、初心者にも簡単だった。
この日、最も気に入ったインクレシピに「松島海水浴場」という自分だけの名前を付けてテスト用紙をスタッフに渡した。これはモナミのデータベースに保存され、今後、同じカラーをまた購入できる。配合の割合にしたがって、従業員が30mlインクを完成するのに要したのは30分ほどだった。
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