2025 年 6月 2日 (月)
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韓国LGユープラス、次世代冷却技術でAIデータセンターを革新

(c)KOREA WAVE

韓国の大手通信会社「LGユープラス(LG U+)」は、超大型インターネットデータセンター(IDC)「平村2センター」に、次世代の液体冷却ベースの「デモルーム」を開設し、AIデータセンター(AIDC)の冷却効率と持続可能性を高めるための技術実証に着手する。

今回のデモルームは、高発熱のAIサーバー環境に最適化された冷却性能を持つ次世代インフラであり、エネルギー効率を最大化し、炭素排出を削減できる環境に優しく経済的な「グリーンAIデータセンター」実現の中核技術として注目されている。

LGユープラスは、実際の高密度AI演算環境において冷却性能と安定性を先行して検証することで、今後のGPU性能向上や大規模インフラ拡張に伴うリスクを軽減し、顧客に対して安定した運用効率と信頼性を提供できるものと期待している。

今回の実証には、データセンター向け液体冷却分野のグローバルリーディング企業「VERTIV(バーティブ)」「CoolIT Systems」「LG電子」「グローバルスタンダードテクノロジー(GST)」など、国内外のパートナー企業が参加している。これらの企業は、実際の運用データをもとに商用化の検証と技術高度化を進める。

デモルームで検証される冷却技術には、サーバーに取り付けられた冷却板(コールドプレート)を通じて冷却水を循環させる「直接チップ冷却(Direct To Chip Cooling)」方式と、サーバーを絶縁油に満たされた槽に浸して発熱を除去する「液浸冷却(Immersion Cooling)」方式がある。これに加え、冷却水の分配と回収を担う核心装置であるCDU(Coolant Distribution Unit)を通じて、サーバー全体に、均一に冷却できるよう設計されている。

LGユープラスは、今年3月にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)2025でこの技術を公開しており、平村2センターのデモルームを実際のR&Dテストベッドとして運用している。今回の実証で得られた技術力は、平村2センターを含む首都圏最大規模のデータセンターおよび今後建設予定の坡州AIDCに本格適用される。これにより、冷却エネルギーの削減、システムの無停止運転、運用費用の削減、保守効率の向上など、環境面と経済面の両立が期待されている。

LGユープラスは、AIDC関連の顧客企業や業界とのコミュニケーション強化の一環として、デモルームを含む平村2センターAIDC見学プログラムも今年後半から運営する。

LGユープラスのAIDC事業担当常務であるチョン・スクギョン氏は「AIおよび高性能コンピューティング需要の急増により、データセンターの発熱問題が深刻化している中で、冷却技術は持続可能なAIデータセンター運営の核心的な能力だ。今回の実証は、環境に優しく経済的なAIインフラ構築をリードする転換点になるだろう」と述べた。

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