2024 年 5月 23日 (木)
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梨泰院雑踏事故の危険性、携帯電話基地局は知っていた

事故現場を訪れ、状況報告を受けるユン・ソンニョル大統領(大統領室提供)©NEWSIS

ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)の路上で起きた雑踏事故を契機に、移動電話基地局情報(CPS)を災害事故予防や収拾プロセスに積極活用すべきだという声が高まっている。

携帯電話と随時信号をやり取りする移動電話基地局の接続情報を活用すれば、人口密集状況をリアルタイムで把握でき、雑踏事故などを未然に防ぐことができ、行方不明者の捜索もより迅速に進めることができるということだ。

ただ、基地局接続情報には携帯電話使用者の動線などプライバシー情報も残るため、公的機関による活用を人権団体などが強く反発してきた。したがって社会的合意が前提となる。

◇リアルタイムで把握可能な基地局情報

移動電話基地局は近隣加入者の携帯電話端末と絶えず交信する。待機状態でも約5秒に1回ずつ近くの基地局と信号をやり取りする。誰かが電話をかけてくれば、移動通信会社がリアルタイムで該当携帯電話に連結することができる原理だ。これらの接続情報は基地局サーバーに記録され、3カ月間、義務的に保管することになっている。

こうした基地局接続情報を活用すれば、災害事故予防に役立つというのが防災当局の説明だ。例えば、特定地域の接続者数を確認し、人口密集度をリアルタイムで把握することができる。手に負えない人が一度に集まる場合、早期警報を通じて雑踏事故を予防できるというのが専門家の意見だ。

KTが9月からソウル市に提供したというリアルタイム人口データも基地局情報に基づく。観光名所などソウル市内の主要地域基地局で5分間収集された携帯電話信号を集計した後、該当地域に存在する人口を推定する方式だ。このようなデータを活用すれば、各自治体で主要場所別人口密集度、またはどれほど混雑しているかをリアルタイムで確認することができる。

ただしKTがソウル市に提供するデータはKT移動通信加入者で標本が制限されており、これを実際の災難や事故予防に活用するには限界が多いという指摘だ。

通信業界関係者は「もし移動通信3社の基地局情報を活用できるならば、地域の祭りや大規模イベントの際、収容人員を超えて人が集中した場合、リアルタイムで警察当局、主催側に危険警報を発令、対応できるようになる。その結果、雑踏死事故などを防ぐことができるだろう」とみる。

◇身元確認は可能

基地局の情報は事故予防だけでなく、行方不明者の捜索作業にも有用だ。過去、移動電話基地局は新型コロナウイルス感染が初期流行した2020年、梨泰院のクラブ発集団感染発生当時、「隠れたクローバー」を見つけるのに決定的な役割を果たした。

当時、防疫当局は基地局データに基づき、特定期間・時間帯クラブ一帯で30分以上滞在した1万905人の名前と電話番号を確保した。基地局情報には電話受信者の接続記録だけでなく、受信待機中のすべての携帯電話情報まで記録されるためだ。

梨泰院のように基地局がぎっしりと重なっている都心の場合、携帯電話と近い複数の基地局間の信号強度を分析し、路地単位まで追跡できるというわけだ。

◇専門家「社会的合意が必要」

問題は個人情報に対する憂慮だ。梨泰院クラブ発の集団感染当時には伝染病特別法があったため、防疫当局が移動通信会社に基地局情報を得ることができた。だが何も起きていない段階、つまり予防のために捜査当局や行事主催側がリアルタイム基地局情報を要求することは現実的に不可能だという指摘だ。

業界関係者は「基地局接続情報を活用すれば災難予防と事故収拾に効果的に対応できることは明らかだが、基地局接続情報の公的活用が拡大する場合に憂慮される副作用も侮れない。どんな状況で、どの情報まで活用するか、個人情報の誤用に対する憂慮をどう払拭するかに対する社会的合意が必要だ」と説明する。

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