2024 年 5月 6日 (月)
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MZ世代、デジタルノートに付けるという“第二の絵文字”

Startup Story ~~ 成功のカギ

Noute company シン・ドンファン代表

シン・ドンファン代表©MONEY TODAY

10年間で発売された絵文字は30万個、創作者は1万人、累積収益額は7000億ウォン――。2011年に初めて世に出たカカオトークの絵文字が果たした成果だ。オンライン対話で絵文字使用が一般化し、新しい経済の生態系が作られた。

まだ初期ではあるが、「第二の絵文字」として注目されている市場がある。「デジタルステッカー」だ。スマートフォンやタブレットで利用するノート、日記、カレンダーなど、デジタル文具の市場が成長するにつれ、デジタルステッカー市場も大きくなっている。

Noute companyはデジタル文具フラットフォーム「WeBudding」を運用するとともに、関連市場を先導するスタートアップでもある。デジタルステッカーは、デジタルのノートやダイアリー、カレンダーなどにおいて、自分だけの個性を表現するために使用するものだ。

「デジタル文具の販売数は、現在、ひと月に4000個ほどの売上があり、その50%ほどがステッカー販売から出ています。大切な購買層である20~30代がデジタルのノートとダイアリー、カレンダーを飾るためにステッカーを購入するのです」

シン・ドンファン代表はこう説明する。

シン代表はソウル大機械工学科に在学中だ。2018年11月に社会服務要員をしていた際、Noute companyを創業した。“手軽に化学式を書くことのできるノートがあればいいな”という友人の話を聞いて、化学分野のための紙のノート「ヘクサノート」を発売した。「当時、化学式のノートは、国内ではなく『アマゾン』で売っていたんですよ。それなら、自分の手で友人が使えるようなノートを作ってみよう、という思いで創業しました」。シン代表はこう振り返る。

シン・ドンファン代表©MONEY TODAY

Noute companyは「へクサノート」を手始めに、プログラミングのための「ソン・コーディング」、ユーチューバーのための絵コンテ「クリエイターノート」などで製品を拡大した。「信じられない機能性ノート」として口コミが広がり、ソウル大、高麗大、韓国科学技術院(KAIST)など主要な大学院の文具店に入店した。

◇新型コロナでデジタル文具拡大

シン代表は新型コロナウイルス感染が拡大した2020年7月、紙のノートからデジタルノートに事業を拡張した。新型コロナで非対面授業が普通になり、紙のノートをデジタルノートとして発売してほしいという要請が殺到したためだ。

「新型コロナ以前は10人中3人がタブレットで授業を受けていましたが、今は10人中9人です。コンセプトを模倣した製品が出るかもしれない、という懸念はありましたが、教育にIT技術を絡めたエデュテック(EduTech)市場が飛躍的に成長すると判断しました」

Noute companyは多様なダイアリー、プランナー、シールを発売するため、作家たちにも近づいた。ポータルサイトやSNSフラットフォームで個人で販売を手掛けている作家たちを「WeBudding」に集めた。カカオトークで絵文字を発売している作家たちも続々に参加し、2021年11月現在、登録している作家は550人に達した。登録商品は5000個に迫る勢いだ。

◇2022年の第3四半期、日本に挑戦

Noute companyは2021年12月初めに「WeBudding」の英文サービスを始めた。北米では既にデジタル文具市場が形成されているためだ。2022年の第1四半期に、北米で意味のある成果を上げて、第3四半期には日本でも発売する計画だそうだ。

タブレットの普及率が高い国を中心に「WeBudding」サービスを拡大する計画という。アマゾンでもデジタル文具とステッカーを販売しているが、韓国製品ほどデザインは精錬されていない、という自負がある。

「北米と日本の作家たちも入店をさせ、来年までに1万個の製品を確保するのが1次目標。WeBuddingを、韓国から飛び出て、世界最大規模のデジタル文具フラットフォームに発展させるつもりです」

シン代表の夢は大きい。

©MONEY TODAY

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