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韓国社会への外国人家事ヘルパー導入において、課題は賃金水準だ。国会で発議された「家事労働者の雇用改善などに関する法律」改正案では「外国人家事労働者には『最低賃金法』の適用を除く」としている。
その趣旨は、低賃金外国人家事労働者の導入を通じて共稼ぎ家庭の負担を減らし、低出生率問題の解決の糸口とする――ことなのだ。
実際、海外において、安い育児・家事ヘルパーの恩恵を受けた人々は「韓国の未来という観点から、低出生率やキャリア断絶からの回復、さらには共稼ぎ夫婦のための『劇薬処方』が必要だ。だから、自国民が恩恵を受けられる条件を提供すべきだ」と声を高める。
つまり、韓国社会の過酷な現実の中で、国が「息をするいとま」を支援しなければならないというわけだ。
ただ、このような方向性は国際社会で「労働リスク」を招きかねない。政府関係者は「経済協力開発機構(OECD)は基本的に最低賃金保障などでの外国人差別を禁止している」と話した。
ある通商専門家は「国家間FTA(自由貿易協定)を締結する時、基本的に外国人に対する差別禁止条項を明示している。最低賃金から特定国家労働者を排除すれば、相手国から提訴されないか心配だ」と懸念を示す。
◇長期的ビジョンによる外国人雇用
現行の最低賃金法7条は▽精神や身体の障害で労働能力が顕著に低い人▽その他、最低賃金を適用することが適当ではない――と認められる人に限り、最低賃金の適用を除外できると明示している。
他の国の労働者の賃金と生活水準が韓国とは異なるという理由で、この条項を適用できるかどうかは、また別の問題を引き起こしかねない。
外国人家事労働者を送り出す国との交渉も難題だ。韓国政府は「外国人家事ヘルパー導入」関連モデル事業と関連計画策定に取り組んでいる。
今後、各国との本格的な交渉が進められる。ただ、相手国が「最低賃金の適用排除」という不平等条件を果たして受け入れるのか。韓国政府関係者は「長期的ビジョンによる外国人雇用が求められるタイミングだ」と指摘する。
(つづく)
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