2024 年 5月 11日 (土)
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[KWレポート] 韓国メタバース最前線 (4)

アイテム取引を超えてアート、不動産取引

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◇創作活動を通じた収益創出で生態系拡張

メタバースプラットフォーム内の利用者が多くなるほど、経済活動も活性化する。メタバースサービスに暗号資産(仮想通貨)、NFT技術が結合し、単純なアイテム売買を越え、ユーザーが製作したコンテンツや仮想の不動産、絵などの知的財産権(IP)に投資する形で発展している。

実際、10代は「ゼペット」内のアバターのために、ためらうことなく財布を開ける。「ロブロックス」でクリエイターが上げた収益は、2020年に3億3000万ドル(約459億円)に達した。メタバース経済の核心は、利用者が経済活動をする生態系を構築し、好循環構造を作ることにある。

最近では、メタバース内でクリエイターが自由にコンテンツを作り出し、これを通じてお金を稼ぐ「C2E(Create To Earn)」が注目されている。より多くの権限と補償をクリエイターに与えることで、取引を手軽にできるようになるからだ。米国の「ロブロックス」は2020年に35万人が3000億ウォン(約312億円)の収益を上げた。

「ゼペット」のクリエイターは、メタバース空間である「ワールド」とマップを作ったり、アバターの衣装、小物などを製作したりして収益を上げる。利用者が「ゼペット」で通用する貨幣「ゼム」でアイテムを購入すれば、プラットフォーム手数料(30%)を除く収益が得られる。ネイバージェットは8月31日、タイ最大手通信会社「トゥルー」と「ゼペット」生態系育成のための業務協約(MOU)を締結した。タイのクリエイターの活動を活性化させる計画だ。

SKテレコムは10月、「イーフレンド」でクリエイターを中心にメタバース生態系を強化するサービスをアップデートした。カカオは自社メタバース戦略「カカオユニバース」を通じてクリエイターのための経済生態系であるB2B2C(企業・消費者全員と同時取引)モデルを構築する計画だ。

LetinARのピンミラー方式ARグラスで拡張現実に接する様子(写真=LetinAR)(c)MONEYTODAY

◇ARグラス競争本格化

ただ、多くの専門家はメタバースがもう一段階成長し、完成度を高めるためにはデバイスの発展が必須だ。つまり、仮想現実(VR)・AR・複合現実(MR)などの技術発展が必要だということだ。しかし、まだ「ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display・HMD)」など、仮想現実の装備は小型化や軽量化、VR酔いなどの問題が取り上げられている。

これに対し、未来市場を先取りするため、有力企業はARグラス市場に参入している。アップルは、独自のARヘッドセットとスマートグラス、専用オペレーティングシステム(OD)を開発している。ARグラスについては、グーグルが今年5月に試作品を公開し、サムスン電子も近く発表するとみられている。

グローバル市場調査会社「トレンドフォース」は世界AR・VR機器の出荷量が2025年ごろに2576万台まで増えるとみている。グローバルARグラス市場規模は2020年に25万5600個(試算)から年平均80.3%成長し、2027年までに1580万個まで拡大する見通しだ。

(つづく)

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