婚姻件数、減少の一途
韓国のMZ世代で「結婚しない」という選択が増加傾向にあります。結婚に対する価値観の変化に加え、経済面での制約が背景にあるようです。韓国社会における「結婚」はどう変化しているのでしょうか……。(シリーズ1/5)
韓国統計庁が3月23日に発表した「2021年婚姻・離婚統計」――。
昨年の婚姻件数は19万3000件。これは過去、最も低い記録だった。ここ10年、婚姻件数は減少の一途をたどる。昨年も前年比9.8%減少している。
平均初婚年齢は、男性が33.4歳、女性が31.1歳。どちらも1990年の統計開始以来、最も「高齢」となった。
「結婚」というものに対する認識も大きく変化している。女性家族省のこんなデータがある。
2020年に実施した青年(15~39歳)1万101人を対象にした結婚・出産に対する認識調査だ。その結果、男女ともに半数以上(女性57.4%、男性51.9%)が「結婚」という決断を「先送りにする」という態度を示したのだった。
同じ年に同省が韓国女性政策研究院と合同で、同棲経験者(満19~69歳、3007人)にオンラインで調査した結果をみると、非婚同棲に「同意する」と答えた20代は2015年に25.3%だったのが、2020年には46.6%に跳ね上がっているのだ。
MZ世代はなぜ「非婚」を選択するのか。
「男性に面倒をみてもらうための人生ではなく、自分が望むような人生を送りたい。だから、非恋愛や非婚を選んだ」。会社員女性、ジュさん(29)はこう答えた。
ジュさんの周囲にいる「非婚主義者」は▽生活を縛られるような結婚を「論外」とする人▽自分の幸せを追求した結果、非婚を選択した人――に分かれているそうだ。
「結婚したことで幸せになれない人をたくさん見てきた。結婚という制度が、果たして自分の人生に必要なのか、と思うようになった」。これは女性事業家のユさん(27)の感想だ。そして強調したのが、「私の人生、私ひとりで強く生きていきたい」だった。
女性会社員のチェさん(25)はこんな話をした。
「今まで生きてきて、“結婚の何がいいのかわからない”と、なんとなく思うようになり、非婚主義者になった。ひとりで生きるほうがラクだ。だれかと生涯、一緒に過ごすことなんて、想像もできない」
パートナーと苦楽をともにしながら新たな家庭を築くことより、自分自身の成長と幸せをより追求する――この傾向がはっきりと浮かび上がってくる。
(つづく)
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