2024 年 5月 21日 (火)
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[KWレポート] 中国で「K-ビューティー」は生き残れるのか (3)

オフからオンへ…切り換わる消費パターン

「IndiGO」のセフォラ内にある「雪花秀」陳列台©MONEY TODAY

世界最大の化粧品激戦地・中国。これまで優勢だった韓国産を、急成長する中国産が脅かしています。「韓流禁止令」や新型コロナウイルスの感染拡大、共同富裕――激変する中国市場で、「K-ビューティー」はどう「C-ビューティー」と競い合うべきか、その生き残り戦略を検証しました。(シリーズ3/6)

中国で韓国化粧品の存在感が薄れている状況は数字で確認できる。

中国税関当局によると、化粧品の輸入金額で2019年には23.0%だった韓国化粧品の割合は、2020年には18.8%に急減。韓国とともに輸入品市場を掌握した日本とフランスは、同期間にそれぞれ23.7%→24.8%、21.6%→22.4%に増えた。

韓国の動きが止まっている間に、中国の化粧品は躍進を重ねている。

2009年当時、中国国内の化粧品企業トップ10のうち、1社もランクインしていなかった中国勢だが、2020年には「上海丸美」(7位)や「百雀羚」(9位)など3社がトップ10入りした。韓国は「アモレパシフィック」が辛うじて6位に入っただけだ。

時間の経過とともに、ローカルブランドの成長の歩幅は大きくなる。アリババ傘下のオンラインショッピングモール「天猫」の売上げリストを見れば一目瞭然だ。

2021年6月、ブランド別で前年同期比の売上増加率は、「上海丸美」40.7%など。「潤百顔」に至っては126.0%に達している。一方、同じ期間の韓国の「雪花秀」「イニスフリー(Innisfree)」はそれぞれ-89.3%、-19.2%だった。

オフライン店舗からオンラインに急速に切り換わった消費パターンもこの流れを促している。

価格比較と、使用後の感想などを参照する合理的な消費者が増えれば、コストパフォーマンスが重視されざるを得ない。中国工業情報化省傘下の「賽迪顧問(CCIDコンサルティング)」によると、2016年に21.6%だったオンライン販売の割合が、2019年には30.0%に増加している。この間、主力販売チャネルだった大型マートの割合は26.8%から22.0%に減った。

こうした傾向を反映するように、望京の有名ショッピングモール「凱德モール」内の「セフォラ(SEPHORA)」は最近、店舗移転のために閉鎖した。セフォラは凱德モールの中で場所を移す予定だが、新しい店舗規模は従来の半分ほどになりそうだ。

中国メディアは「K-ビューティー」にこんな厳しい言葉を浴びせている。

「中国の消費者が製品の安全性と効果を大切にするなど、合理的に変わっている。韓国製品は、コピー商品まで氾濫し、消費者から敬遠された。これを解消するためには革新的な製品を出すしかない」

(つづく)

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