韓流ブームに乗って海外展開
韓流コンテンツの世界進出とともに、韓国発「K-コンビニ」が海外市場に拡大しています。現地でどのようなビジネスを展開しているのか取材しました。(シリーズ1/4)
◇差別化戦略が通じた
世界の人々が韓国発の「K-コンビニ」に夢中――。世界中の人の味覚をとりこにしている「K-フード」、トレンディな韓流コンテンツ、素早い「K-配達」サービスなどを活用し、K-コンビニが海外市場を拡大している。差別化と現地化が、攻略ポイントとなっている。
コンビニ業界関係者によると、CU、GS25、イーマート24など、韓国コンビニブランドが海外で運営している店舗数は計690店舗余りだ。
2018年にモンゴルから始まり、海外出店を加速化したCUは現在、モンゴルとマレーシアにそれぞれ260店、120店余りを運営している。
2018年にベトナムに初めて進出したGSリテールは、ベトナムで186店、モンゴルで100店をそれぞれ運営している。2023年にはマレーシアに進出する計画だ。
後発ランナーとして海外出店レースに参入したイーマート24は昨年、マレーシアに1号店をオープンし、現在は26店舗に増えた。
韓国コンビニが海外市場に目を向けた最大の契機は、国内の路地商圏が飽和状態に近づいているからだ。
公正取引委員会加盟事業情報提供システムによると、国内コンビニ加盟店数は2017年に3万5222店だったのが2018年に4万170店、2019年に4万2478店、2020年には4万5555店となり、昨年は4万8738店だった。特にコンビニ会社が海外進出を始めた2018年には、前年より約5000店舗増えた。だが、加盟事業者の平均売上額は下落傾向にある。
ここ数年、韓国のメディアコンテンツが海外へ活発に進出し、外国人消費者が映像に登場するK-コンビニに高い関心を持つようになった点も海外で成長する起爆剤になったようだ。
コンビニはドラマ「コンビニのセッピョル」「イカゲーム」をはじめ「モッパン」、YouTuberのコンテンツまで、多様な分野で目にすることができる。そして、トッポッキ、カップ飯、アンパンなど、K-フードに対する需要が高まった。このため、国内コンビニ会社は現地化戦略として「K-フード」を前面に出す作戦をとった。
CUはPB(自社ブランド)商品をはじめとする韓国商品を前面に押し出した。全州ビビンバ、キムチツナのり巻き、ソウル式焼肉弁当など、特色のある韓国メニューとトレンド商品をそのまま販売した。
韓国商品は爆発的な人気を得て、全体の売り上げの中で60%を占めている。売上1、2位を占めるトッポッキ2種は、1日に4000カップずつ売られることもある。
GS25は、ベトナムで即席トッポッキ、韓国型アンパン、ラッポッキなどK-フードを販売している。これらの場合、常に売り上げの5位内に入る。モンゴルでは、PBブランド「カフェ25」のコーヒーが1日2万杯以上売れることもあった。
イーマート24もカップ飯、トッポッキ、タッカンジョン、かき氷、おにぎりなど「K-フード」を含む即席の食べ物を強化している。これらの売り上げは、全体の51%に達する。特に菓子類の場合、現地商品72%、韓国商品28%の割合で構成しているが、販売額でみると韓国商品が全体の70%を占める。
同時にコンビニ企業は海外にクイックコマース、割引宅配など韓国で成功を収めている生活サービスも現地に合う形で開発・導入する計画だ。
CUを運営するBGFリテールは、2020年5月からモンゴルでコンビニ配達サービスを開始した。モンゴルCUは「IT強国」韓国のようにモバイルを通じた配達サービスを利用できるよう、モンゴルCUメンバーシップアプリに配達サービス機能を搭載した。
コンビニ関係者は「この間、蓄積されたノウハウと技術力を土台に、魅力的な市場に成長した外国に進出することで、新たな成長動力を確保できると判断している。さらに、地域社会に貢献する役割を強化するなど、韓国コンビニの良い所を拡大していく方針だ」と話した。
(つづく)
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