二次電池に対する需要は世界規模で着実に増えると考えられる。
韓国のバッテリー・エネルギー関連調査会社「SNEリサーチ」は、グローバルEV用二次電池の需要が、今年の687GWhから2035年には5.3TWh(テラワット時、1000GWh)に成長すると予想している。
バッテリー素材企業の場合、北米・欧州の現地進出にも乗り出しているものの、基本的には韓国国内の工場増設に力を入れる。
米国と自由貿易協定(FTA)締結国を優遇するインフレ削減法(IRA)の特性上、国内生産ラインの確保が残る商売でもある。「LG化学」「LS」「エコプロ」「L&F」などが「兆単位」の投資を通じてセマングム(全羅北道の海岸に広がる広大な干潟)に前駆体製造工場を建てることにした理由だ。
◇製錬、装備、各種インフラ業者を伴って
今後、数年以内に数十万の雇用が地方に生まれると期待されている。二次電池に特化した団地として指定された▽清州(14万5000人)▽セマングム(20万1000人)▽蔚山(7万人)▽浦項(5万7000人)だけで50万人に迫る雇用が創出されるとみられる。
バッテリーや素材企業は製錬、装備、各種インフラ業者を伴う。特に生産ラインを構成する装備の場合、国産化率が80~90%に達する。SKオン関係者は「新規バッテリー工場に入る装備の国産化率は95%以上であり、中小・中堅企業まで働き口の相乗効果が大きい」と見通す。
2014年には5万人に過ぎなかった梧倉の人口は今年8月には6万8727人となり、7万人に肉迫する。2万人が流入し、地方消滅という言葉とはほど遠い状況だ。梧倉は「最も若い自治体」の一つになった。平均年齢36.8歳はソウル市(44.2歳)よりも7歳以上若い。
何よりも二次電池バリューチェーンのおかげだ。梧倉科学産業団地には「LGエネルギーソリューション」や電池材料メーカー「エコプロBM」をはじめ、二次電池企業約40社が密集する。EV産業が本格的な流れに乗ってバッテリー需要が急増し、自然に働き口が増えた。こうした傾向は今後さらに激しくなるだろう。
LGエネルギーソリューションは、梧倉工場の生産能力を従来の18GWh(ギガワット時)から33GWhに増やす。自動的に、周辺の素材・装備・製錬関連業者らも職員を多く採用し、生産量を増やさなければならない。
(つづく)
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