2024 年 5月 22日 (水)
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[KWレポート] K-ディフェンスの無人システム (1)

生き残りの可能性を高めて

ハンファディフェンスの多目的無人車両「Arion-SMET」(写真提供=同社)©MONEYTODAY

韓国軍は未来戦で重視される「無人システム」の導入を目指し、開発に力を入れています。同国の軍需企業「ハンファディフェンス(Hanwha defense)」を通して、その取り組みをみてみます。(シリーズ1/3)

◇統合型小型ロボット

ハンファディフェンスは爆発物探知除去ロボットの戦力のほか、多目的無人車両、無人捜索車両、小型偵察ロボットなどを開発し、韓国軍の進化をリードしているといわれる。

爆発物探知除去ロボットは、爆発物の探知・除去機能と地雷探知機能を備えた、世界で初めての統合型小型ロボットだ。韓国で地上無人化システムが戦力化される初めての事例でもある。

ハンファディフェンスは2017年からこの爆発物探知除去ロボットの開発を始め、試作品開発に成功。2020年には防衛事業庁と体系開発契約を結んだ。2023年6月までに開発を完了し、量産を開始して戦力化する。

このロボットは、危険地域の外にいる兵士が、携帯用遠隔操縦装置を制御しながら、全方向に伸びる操作アームで爆発物を除去する仕組み。X線透視機を装着すれば、金属や非金属材質の中にある爆発物も探知するため、人的被害を最小限に抑えることができる。

ハンファディフェンスの爆発物探知除去ロボット(写真提供=同社)©MONEYTODAY

ハンファディフェンスは、無人システムを開発するまで、多くの時間と努力を傾けてきた。

2006年以降、推進してきた無人システムや国防ロボット関連の国策課題は15種に達する。同社が爆発物探知除去ロボットのほかに力を入れる無人システムは▽多目的無人車両▽無人捜索車両▽遠隔射撃統制システム(RCWS)――などがある。

◇積載重量と航続距離で世界最高水準

ハンファディフェンスの国防ロボット製品は「HAEMOS」(HAnwha dEfense’s solutions for robotics and autonoMOs Systems)と名付けられている。檀君神話に出てくる天神「ヘモス」の名前からとった。

このうち、地上無人システムはギリシャ神話に登場する神馬「アリオン」(Arion, Autonomous and Robotic systems for Intelligent Off-road Navigation)と名付けた。

ハンファディフェンスの多目的無人車両「Arion-SMET」(写真提供=同社)©MONEYTODAY

ハンファディフェンスが2016~19年、軍民協力の課題として開発した多目的無人車両は、小・中隊単位の業務を支援するために開発された無人システム。アリオンにSMET(小型多目的移動装備)を付けて「アリオン・スメット(Arion-SMET)」と呼んでいる。

まだ世界で戦力化した例がない最先端兵器という。

危険度の高い戦場環境で、兵士の代わりに物資や弾薬の輸送、捜索・偵察、患者搬送、近接戦の支援――など、さまざまな任務を遂行する。ハンファディフェンスの製品は、積載重量と航続距離で世界最高水準の性能を有し、輸出を目指すまでになった。

アリオン・スメットは、軍が要求する水準の倍以上の物資を積載できる。

昨年末、軍で試験運用した結果、高荷重の戦闘物資輸送と負傷者の搬送などの戦闘支援能力が圧倒的に高いと評価された。1回の充電で100キロメートル以上走行可能な性能も、軍が要求した航続距離の4倍のレベルだ。

アリオン・スメットは9月、陸軍最上位の戦闘体系であるアーミータイガー(Army Tiger)戦闘実験に投入され、その力を披露する。

ハンファディフェンスの無人捜索車両(写真提供=同社)©MONEYTODAY

◇最先端の国防ロボット

ハンファディフェンスは、国防科学研究所主管の無人捜索車両事業でも、システム統合と無人車両開発を完了し、現在、システム開発を準備している。

無人捜索車両は、機械化部隊の先頭に立って、捜索と偵察、警戒など多様な任務を遂行する最先端の国防ロボットだ。

戦車や装甲車が進入する前に投入され、遠隔操縦または自動運転で任務を遂行する。統制車両従属走行▽経路走行▽障害物探知および停止・回避▽通信断絶時の計画経路起動――などの自動運転が可能だ。

遠隔武装システムが搭載され、今後、多様な任務の装備を追加して性能を向上できるよう設計されている。

この無人捜索車両は、車輪型(6X6)ハイブリッドプラットフォームで、ハイブリッド電気推進装置が搭載される。

この装置は、内燃機関とともにバッテリーや水素燃料の電気エネルギーにより、高出力モーターを作動させ、装甲車・戦車などの軌道車両を起動させる次世代動力装置だ。

ハンファディフェンスは昨年、韓国で初めて、軌道車両に適用されるハイブリッド電気推進装置用電気機械式変速機(EMT)の中心となる技術開発も受注している。

ハイブリッド電気推進装置を装着すれば、電力供給が安定し、レーザー兵器など高エネルギー任務装備の運用性が大きくなる。

内燃機関だけを使用する時よりも車両の機動性が強化され、燃費向上による燃料効率性も高まる。走行騒音と発熱も最小化され、サバイバビリティー(survivability、生き残り可能性)が高いと評価されている。

(つづく)

©MONEYTODAY

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