2024 年 4月 18日 (木)
ホーム特集KW レポート 韓国で繰り返される政治テロ (下)

[KWレポート] 韓国で繰り返される政治テロ (下)

2日午前、襲撃された共に民主党のイ・ジェミョン代表=ユーチューブチョン・イルヨンTVキャプチャー(c)news1

韓国与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表が襲撃された事件をめぐり、韓国社会の随所で現れる極端な政治行動が作り出した最悪の事件という分析が出ている。

極端な政治行動の「行きつく先」として挙げられるのが、陣営政治とファンダム政治。相手を敵視することで攻撃性を高めるというわけだ。

イ・ジェミョン代表襲撃後、一部の保守ユーチューブチャンネルでは「陰謀論」が展開された。イ・ボンギュTVである出演者は「ハン・ドンフン(韓 東勲)氏の支持率が上がった後の襲撃事件だ。“自作自演”事件かもしれない」と話した。このチャンネルで司会者であるイ・ボンギュ氏は、刀ではなくペーパーナイフで刺したなどの主張を提起し、これを訂正したりもした。

また、別の保守ユーチューブチャンネルでは、イ・ジェミョン代表の裁判出廷と今回の事件を結びつけ、「イ・ジェミョン代表が長期治療として病院に行く」という主張もした。このほかにも保守ユーチューブチャンネルは緊急映像を通じてイ・ジェミョン代表襲撃事件を多様に扱った。

イ・ジェミョン代表が2時間にわたる手術を受けるほど、大きな危険に陥ったにもかかわらず、反対陣営では陰謀論を提起し、これを無分別に伝播したわけだ。これらユーチューブチャンネルを見た人々は「テロ」という事件の本質より、多様な陰謀論に振り回されざるを得ない。

◇ユーチューブチャンネルの問題

こうしたユーチューブチャンネルの動きは、過去にも問題視されてきた。その一例が、ムン・ジェイン(文在寅)前大統領の私邸がある平山村に向けた、極右ユーチューバーの行動だ。

ムン氏が私邸に戻った直後、極右ユーチューバーが連日、デモを繰り返し、口にできない発言でムン前大統領夫妻を批判した。彼らは自分たちの行為をリアルタイムで中継し、志を共にする人たちとムン氏に対する批判のレベルを高めていった。

こうした陣営政治の様子はユーチューブではなく、現実政治でも確認できる。

共に民主党のソン・ヨンギル(宋永吉)前代表は、与党「国民の力」非常対策委員長に向かって「若い奴らが先輩たちを軽蔑している」と言い放った。同党のチェ・ガンウク元議員は女性蔑視発言で波紋を呼んだ。

国民の力議員出身のシン・ウォンシク(申源湜)国防相は、かつてムン・ジェイン氏を「スパイ」「悪魔」などと呼び、「ムン氏の枝を摘むのは時間の問題」と言った事実が知られ、議論を呼んだ。

彼らの発言は、支持者が集まった場所から出た。支持者たちの前で相手陣営を「悪」と規定し、相手に対する敵意心を育てたのだ。

◇党内政治も荒々しく

こうした批判は相手勢力に限らない。党内政治でもファンダム政治による荒々しい言動が確認できる。

イ・ジェミョン代表の強硬支持層と呼ばれる「ケッタル(改革の娘)」たちの行動はファンダム政治の代表的現象に挙げられる。彼らは主要な選挙の時や意思決定のプロセスで、イ・ジェミョン代表の意思に反する決定を下した党内関係者に対して、携帯メールや電話などを通じて批判してきた。後援会口座に、悪口を意味する「18ウォン」を入金したりもした。

問題は総選挙(4月10日)が近づくにつれ、このような陣営政治、ファンダム政治の姿がさらに猛威を振るうだろうという憂慮だ。政治評論家のイ・ジョンフン氏は「与野党が猛烈に対立しているうえに、総選挙を控えて党内の葛藤も激しい。特に熱烈な支持層の間では過度な没頭から、感情が爆発する現象が生じかねない」と指摘する。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular