「若い技術人材が製造業の競争力だ」
韓国サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長は今年3月、亀尾(クミ)電子工業高校を訪問した際、こう語り、人材の重要性を繰り返し強調している。
内部人材の確保にも熱心だ。イ・ジェヨン会長は昨年から社員と意思コミュニケーションを図るために積極的に動いている。国内外の事業所を訪問した際に、役員報告だけではなく、懇談会を開いてMZ世代の社員の声を聞くなど「スキンシップ経営」を続けている。2月には初めて新入社員と懇談会を開くなどした。
◇半導体不況の中で果敢な投資決断
サムスン電子をグローバル企業にした半導体は最近、景気低迷の長期化で会社の最大のリスク要因となった。しかし、イ・ジェヨン会長は半導体でもう一度勝負をかけ、危機をチャンスに変える戦略を選んだ。
サムスンは昨年5月▽半導体▽バイオ▽新成長IT――などに対する大規模な投資計画を明らかにした。サムスンは2026年までの5年間に国内360兆ウォンを含め計450兆ウォンを投資する計画だ。
「未来通信」はイ・ジェヨン会長が数年前から力を入れているものの一つだ。5Gをはじめ、サムスン電子の次世代通信事業の育成を主導し、6Gも時代に先んじて準備している。5Gネットワーク装備事業の大型契約締結や新規市場進出の過程には、常にイ・ジェヨン会長の「グローバルネットワーク」が架け橋の役割を果たしている。
サムスンはバイオを半導体に次ぐ未来の成長動力に育成し「第2の半導体神話」を実現するというビジョンも抱いている。これはイ・ジェヨン会長の意志が反映された新たな挑戦でもある。
会長就任直前、イ・ジェヨン氏は仁川・松島にある世界最大規模のバイオ第4工場の完成式に出席し、経営陣とそれぞれ会って委託開発生産(CDMO)やバイオシミラー事業の中長期戦略について話し合った。サムスンは「第2バイオ工場」造成のために2032年までに7兆5000億ウォンを投入する。
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