2024 年 10月 6日 (日)
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[KWレポート] 超巨大AI最前線と韓国の課題 (5)

「CLOVA」のスマート辞書機能の宣伝(c)NEWSIS

韓国通信大手SKテレコムは昨年11月、ユ・ヨンサン代表の就任1周年を迎え「技術とサービスで顧客を利益をもたらすAIカンパニー」という新たなビジョンを明らかにした。

有線無線通信とメディア、エンタープライズなど従来の重点事業をAIに転換し、新たな成長動力を確保するという戦略だ。「Adot」「イーフランド」「T宇宙」などのAIをベースとしたサービスに新たな技術とコンテンツを加え、AIサービスと顧客の関係をより緊密にする。AIやDXを必要とする企業を探して投資・買収し、SKTが保有している能力を拡散させる計画だ。

AdotはSKテレコムが昨年5月、「顧客の日常のデジタルメイト」というコンセプトでオープンベータバージョンを発売したAIをベースとしたキャラクターサービスだ。韓国で初めてAIモデルGPT-3が適用された。

「AIは、単なる技術発展という側面を超え、あらゆる産業におけるパラダイム変化を導いている。AI技術の発展は、産業と社会の全領域で革命的変化をもたらすものになるだろう」

SKテレコム関係者はこう展望したうえで、次のように自負した。

「通信会社はAI開発に必要な多様なデータを保有している。特にSKテレコムは技術プラットフォームからAIサービスまで、ハードウェアからソフトウェアに至るAI技術力を統合的に備えている」

◇ネイバーとサムスンの協力

ネイバーもやはり超巨大AI「ハイパークローバー」を拡張するためにサムスン電子と「AI半導体」協力関係を構築している。また関連する技術を保有したスタートアップに投資するなど、未来の成長動力となる事業の準備も進めている。

昨年4月にはスマートスピーカー「CLOVA」で特定のテーマについて自由に対話できるスマート辞書機能を公開した。ネイバーの超巨大AI「ハイパークローバー」が使用され、質問者の意図・ニュアンスをAIがはっきり理解し、連続的な対話ができる。

昨年12月には、サムスン電子とともに、効率を最大化する新たな半導体ソリューションを開発すると明らかにした。超巨大AIの性能が向上すれば、データ・演算の処理量を幾何級数的に増やすことができる。ただ、従来のシステムでは性能・効率の向上に限界があったため、新たなAI専用半導体ソリューションが求められていた。

このほか、ネイバーは自然言語処理分野AIスタートアップ「Tunip」に投資するなど超巨大AI技術の高度化に努めている。

Tunipは多様な性格・感情を反映させながら、自然に対話を継続できる「マルチ・ペルソナ・チャットボット」を開発している。超巨大AI、AI倫理モデルなど難易度の高い技術を独自開発し、昨年10月にはユーザーにまず話しかけ、情緒的に交感する子犬キャラクターのAIチャットボットも公開している。

(つづく)

(c)NEWSIS

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