料金制に加入、携帯の開通まで顧客の手で
技術発展に伴い、韓国の産業界の各分野で自動化が加速しています。自動運転技術が発展し、自動車や各種ロボットに続き、船舶や建設機械まで無人システムが広がる雰囲気になっています。現状を取材しました。(シリーズ3/5)
コンビニなど流通業界で広がっている無人売り場が、移動通信業界にも導入された。新型コロナウイルス感染による非対面の風が吹き、店員なしで顧客自らが料金プランを選び、スマートフォンを開通することができる。高価な料金プランの強要や付加サービスの勧誘を受けないというのが長所だ。
SKテレコム、KT、LGユープラスの大手キャリア3社は2020年から無人売り場の運営を始めた。
無人売り場は、顧客がキオスクで料金プランと端末機を選択して直接開通する仕組みだ。だからといって店員が完全にいないわけではない。無人売り場だが、店員が常駐し、客が困っていれば助ける。その代わり、無人売り場のコンセプトに合わせ、直接販売することはない。
無人売り場ではSIMカード購入や料金照会、納付、料金プランの変更など、大手キャリアが一般に代理店で手掛ける大部分の業務を処理できる。
一般の代理店とは異なり、「自給制」(SIMカードと端末購入を顧客の裁量に任せる制度)スマートフォンを販売するのも特徴だ。基本的には大手キャリア向けスマートフォンだけを販売するが、無人売り場では自給制モデルも購入できる。また、人工知能(AI)スピーカーや有料放送などを体験することも可能だ。
無人売り場の運営方式は3社ともまちまちだ。
現在、最も積極的なのはLGユープラスだ。LGユープラスはソウル鐘閣店から始まって、大邱通信路地店、光州忠壮路店、大田銀行店、釜山西面店など5カ所で「非対面売り場」を運営している。KTの場合、1カ所だけでサービスしており、SKテレコムは一般売り場にキオスクを導入し、店員の対面なしに1人で買うことのできる空間を設けた。
LGユープラスは顧客に頻繁に足を運んでもらうため、他にも多様な楽しみを用意している。「サービス利用時間を増やせる空間が重要だ」というファン・ヒョンシク社長の意向が反映された結果だ。
釜山西面店にはレトロな文具店をコンセプトにゲーム機と自販機などで構成されたフォトゾーンなどとともに、セルフィーを撮って無料プリントサービスも受けられるスペース、独自のキャラクター「ムナ」で飾ったスペースも用意した。
昨年3月にオープンした1号店は、1年余りで累積来客数が3万人を超えた。訪問客のうち、MZ世代の割合は約50%だ。20~30代を中心に関心を集めているわけだ。
KTは大邱・東城路だけで無人売り場を運営している。ここは無人売り場と有人売り場に分かれるハイブリッド方式で、昼間は店員の対面と非対面の両方が可能で、夜間は無人売り場だけ運営する。24時間営業だが、対面は日曜日を除いて午前10時から午後8時までだ。
当初の計画では無人売り場を増やす予定だったが、提携企業の商品を直接体験し、市中価格より合理的な価格で購入できる売り場にする方針だ。店舗を直接訪問しなくてもオンラインで処理することができるからだ。
SKテレコムも似た状況だ。単独売り場を運営するより既存売り場に無人業務スペースを別途置いている。ソウル弘大の複合体験空間「Tファクトリー」が代表的だ。
SKテレコムの購読サービスとICT系列会社サービスを紹介するのが中心だが、「無人ゾーン」を置いてスマートフォンの比較とAI料金プランコンサルティング、加入申請から携帯電話受け取り、開通ができるようにした。また、ソウル・麻浦のZEM PLAYS、PS&M光化門店、PS&Mベンベンサゴリなど一般代理店にも無人スペースを設け、キオスク形態でサービスしている。
(つづく)
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