2024 年 7月 14日 (日)
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[KWレポート] 中国が「イカゲーム」を作れない理由(2)

海賊版ストリーミング

©MONEY TODAY

全世界で1億を超える世帯が視聴し、米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の最高記録を更新した韓国ドラマ「イカゲーム」が、中国でも爆発的な人気を博しています。しかし「イカゲーム」のようなコンテンツを中国でつくり出すには、まだまだハードルが高いようです。その理由を考えてみました。(シリーズ2/計3回)

中国では一部のインターネットユーザーが、VPN(仮想私設網)を通じて米国のサイトに接続している。一方、韓国ドラマ「イカゲーム」のようなヒット作にVPNは必要ない。中国の海賊版ストリーミング(定額制配信サービス)サイトに丸ごとアップロードされているからだ。

2021年10月6日に開かれた韓国国会外交統一委員会では、在中国韓国大使館に対する国政監査があった。その際、チャン・ハソン(張夏成)大使は次のような情報を明らかにした。

「最近、世界中で人気を集めている『イカゲーム』が、中国の約60の違法サイトで流通している」

違法行為の直接的な被害者は、世界最大のOTT企業であるネットフリックスだ。

OTT市場だけを見ると、14億の人口を持つ中国は韓国よりはるかに大きい。

米国や中国、韓国のOTT最大手の売上高を比較してみよう。中国最大の「愛奇芸」(アイチーイー、iQIYI)の2020年の売上高は、5兆3500億ウォン(約5100億円)に達する。ネットフリックスの29兆7500億ウォン(約2兆8600億円)より少ないが、韓国最大の「ウェーブ(Wavve)」の1802億ウォン(173億円)の約30倍に達する規模だ。

契約者数については、愛奇芸は約1億170万人とネットフリックス(約2億400万人)の半分にすぎないが、ウェーブ(約1100万人)の9倍を超える。「イカゲーム」も韓国のOTTではなくネットフリックスが独自に製作したが、売上高も大きく契約者数も多い中国のOTT企業はなぜ「イカゲーム」のようなドラマを作れないのだろうか……。

実際、愛奇芸はコンテンツ制作がかなり活性化している。同社は2020年にサスペンスドラマシリーズ「迷霧劇場」で「隠秘的角落(バッド・キッズ 隠秘之罪)」「沈黙的真相(ロング・ナイト 沈黙的真相)」など、サスペンスものを相次いで公開し、中国で大ヒットした。

国際的な中国の俳優チャン・ツィイー(章子怡)が2020年6月に「隠秘的角落」について「ついに、米国ドラマや英国ドラマに劣らない中国ドラマが登場した」とソーシャルメディアで絶賛して話題になった。

だが「沈黙的真相」は、判を押したような勧善懲悪で話が終わった。検閲のためか、戦いのシーンも控え目だった。

(つづく)

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