2024 年 5月 23日 (木)
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[KWレポート] ネット銀行「5歳」革新と苦難 (2)

青少年攻略…今や都市銀行がマネる

カカオバンク©news1

韓国にインターネット専業銀行が設立されてちょうど5年。発足当時、「期待半分、憂慮半分」といわれたネット銀行はその後、金融市場をどう変えたのでしょうか。(シリーズ2/6)

ネット専業銀行の革新は価格やサービス競争の活性化を引き起こした。それは金融消費者への便利さ、利益が高められたことにも表れている。

「店舗や人件費にかかる費用が低い。貸出金利を相対的に低く策定したり、預金金利を高くしたりする余力がある。各種手数料の引き下げ、中途返済料の免除、金利引き下げ要求権の拡大で、消費者の便宜・便益が同時に改善されている」

ネット銀行関係者はこう自画自賛する。

一方で、課題もある。

ネット銀行3社とも、設立の趣旨である中低信用者向け融資(中金利融資)の割合が目標に達していない。また、中金利融資を増やすことで高信用者向け融資が減り、資産健全性の負担も抱えている。

ネット銀行としては、中金利融資の拡大が必要という考えに共感しながらも、目標比率を設定するより、「供給額」を基準とする目標に政策が転換されるべきだという考えだ。

◇トレンドとなるネット銀行のサービス

ネット専業銀行はこの5年間、従来の銀行にはない取り組みを試みてきた。「10代の青少年」という隙間市場を攻略し、非対面化に限界があるとみられてきた住宅担保融資を相当水準に拡大させた。これを受け、最近、都市銀行は、銀行業界の“末っ子”であるネット銀行をベンチマーキングしたりもしている。銀行業界ではネット銀行をライバルと認識するムードもますます高まっている。

「カカオバンクmini(ミニ)」。カカオバンクが2020年に始めたサービスだ。銀行界で初めて、10代の青少年顧客を対象にしたものだ。満14歳から満18歳までの青少年は銀行口座を開設できない。それでもこのサービスは、口座がなくても振り込み・送金できる。発売から1年で加入者100万人を確保し、現在は120万人以上の青少年が使っている。

そして、次の1年の間に、同様のサービスを都市銀行が次々に展開するようになった。

ハナ銀行は2021年6月、「アイブジャ」サービスを提供した。新韓銀行は2021年10月に「新韓ミーム(Meme)カード」、KB国民銀行は翌月に「リブネクスト(Liiv Next)」をそれぞれ発売した。ハナ銀行は10代の青少年だけでなく、児童にまでターゲット顧客を広げる。新韓・国民銀行はカカオバンクのように満14~18歳の青少年を利用客とした。

隙間市場攻略のほかにも、既存の商品・サービスを大きく変えた事例もある。

その代表例が「トスバンク通帳」。トスバンクの随時入出金通帳(期間や金額にかかわらず預金者がいつでも自由に入出金できる通帳)だ。

一般的に随時入出金通帳は、顧客がいつでもお金を振り込むことができる通帳で、受信(金融機関が顧客から資金を調達すること)商品の中で最も金利が低く、大半は1%以下だ。

だが、トスバンクは1億ウォン以下の預金に対する金利を一括2%に設定した。公共交通機関やコンビニエンスストアを利用すれば、現金で小額を還付する特典もつけた。

これに銀行側は焦った。随時入出金だけでなく預金・積金の顧客まで流出する可能性があるためだ。最近になって対応策を模索し、金利を引き上げる方向になっているようだ。銀行連合会の比較公示によると、5大銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協銀行)の1年満期基準の預金金利は最高2.05%で、積み立ての場合も大半が2%台にとどまっている。

都市銀行の幹部職員は「2021年末から預貯金残高が事実上増えておらず、これはトスバンク通帳の影響ではないかという分析がある」とため息をつく。

(つづく)

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