2024 年 5月 27日 (月)
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[KWレポート] サムスン李在鎔の時間 (3)

現金200兆をどう使うか

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韓国サムスン電子で27日、創業者の孫にあたるイ・ジェヨン(李在鎔)副会長が会長に就任し、新時代を迎えました。イ・ジェヨン氏を取り巻く状況を取材しました。(最終回)

◇韓国経済を主導するビジョン

イ・ジェヨン氏は8月の赦免措置以後、経営の前面に立った。「イ・ジェヨン時代」を後押しする新成長動力発掘にも積極的に乗り出すという観測がでている。

そこで200兆ウォン以上積み立てておいた現金をどのように使うか――これがカギとして浮上している。

これまで、サムスングループのトップらは、韓国経済を主導するビジョンを提示し、これを実現する過程で大きな足跡を残した。創業主のイ・ビョンチョル(李秉喆)氏は電子産業のビジョンを描き、現在のサムスン電子の基盤を固めた。

次のイ・ゴンヒ(李健煕)氏は半導体とスマートフォン・テレビ産業を起こした。1974年、多くが反対するなかで破産直前の韓国半導体を買収したイ・ゴンヒ氏のエピソードは、いまだに企業家精神の代表的な事例として語り継がれている。

◇イ・ジェヨン体制定着に限界

イ・ジェヨン氏もやはり2014年、イ・ゴンヒ氏が急性心筋梗塞で倒れた後、グループの指揮棒を握りニューサムスンの青写真を描き始めた。しかし、病気中だった父親の陰と司法リスクで、イ・ジェヨン体制が完全に定着するには限界があった。イ・ジェヨン氏は2016年、当時のパク・クネ(朴槿恵)政権のチェ・スンシル(崔順実)ゲート事件に巻き込まれ、8月に復権するまでの6年間、経営活動に制約を受けてきた。

イ・ジェヨン会長が今後進める事業再編には実利と実用基調が中心に立つものと見られる。成果が大きくない部門から果敢に撤退し、弱点を補完したり、既存事業との相乗効果を出せるような新しい事業を発掘することに力を注ぐと考えられる。

あるサムスン役員は、「イ・ジェヨン氏が(チェ・スンシル事件以前に)見せた防衛産業・化学系列会社売却、電装・オーディオ専門企業ハーマン(Harman)買収は実利を重視するスタイルを示した例」と話した。

◇「自ら出向いて交渉」の必要性

改編のヒントは今年中旬に提示した投資計画から垣間見ることができる。

サムスンは5月、半導体・バイオ・新成長IT(情報通信)など未来新事業を中心に今年から今後5年間に450兆ウォンを投資するという計画を明らかにした。重点となる半導体として、メモリー半導体の超格差維持とシステム半導体育成に300兆ウォン程度を注ぎ込むものとみられる。第2の半導体に育てるバイオ、AI(人工知能)、次世代通信(6G)などの分野にも50兆ウォン以上を投資するものとみられる。

蓄えておいた現金をどのように使うかも主なカギとして浮上する。

今年上半期時点でサムスン電子の現金や現金性資産保有額は125兆8896億ウォン。1年以内に現金化が可能な流動資産を含めれば資産が200兆ウォンに達すると推算される。成長の近道に通じるM&A(買収合併)を積極的に活用する可能性がまずは予想される。サムスン電子はすでに昨年初め、「3年内に有意義な規模のM&Aを推進する」公言したことがある。

イ・ジェヨン氏が復権後、グローバル経営が正常化しているという点は、ビッグディール推進に有利だ。

イ・ジェヨン氏は最近、ビル・ゲイツ、ビル・アンド・メリンダゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)理事長や、ソフトバンクの孫正義会長ら世界経済を率いるリーダーたちと会い、これまでよりもはるかに自由になった姿を見せている。

ソウル大学経営専門大学院のイ・ギョンムク教授は「M&Aや大型投資で専門経営陣の間で合意できなければ、トップが自ら出向いて交渉する必要がある」と話した。

(おわり)

「サムスン李在鎔の時間」はNEWSISのミン・ドンフン、オ・ジニョン、ハン・ジヨン、オ・ムニョンの各記者が取材しました。

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