2024 年 2月 26日 (月)
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[KWレポート] あふれる雇用、疎外された20代 (5)

仕事のない中国、働く人のいない米国

米カリフォルニアのマクドナルド売り場。窓に職員を求めるという字が書かれている(AFPBBNews)©news1

韓国の各分野で働き手が見つからないという問題が起きています。一方、20代の若者をみれば、仕事を見つけられずに苦しんでいます。この雇用の「ミスマッチ」、なぜ起きるのでしょうか。(最終回)

新型コロナウイルスによるパンデミックを契機に、雇用市場で、米国と中国の若者が両極端に置かれている。米国では異例的な求人難の中で若者が「貴重な体」になった半面、中国では「ゼロコロナ」政策に伴う経済の低迷に企業の雇用能力が落ち、若者の失業が深刻な問題に浮上した。

◇求職基準が高まった米の若者

米国は、過去数十年で最悪の求人難に陥っている。米労働省によると、今年7月、米国企業の求人件数は1120万件と前月より20万件増加した。20年ぶりの最大水準だ。求人対求職比率は2対1に近い。

米国の失業率は8月に3.7%まで下がり、若者層の雇用状況もパンデミック以前の水準を回復した。パンデミック初期に30%に達した米国の若者(16~24歳)の失業率は先月、8%まで下がった。1948年の統計開始以来の平均値11.7%よりはるかに低い。ブルームバーグ通信は、企業が人材不足のため、ますます若く経験の少ない若者に手を延ばしていると分析した。

米若者失業率の推移(赤)。黒は経済協力開発機構(OECD)の平均若者失業率(写真=OECD)©MONEYTODAY

しかし、若者層の労働市場参加率は、依然としてパンデミック前の水準に達していないことがわかった。卒業後、急いで就職する代わりに様子見する人々が多くなり、パンデミックに触発された「大量退職」の波の後、職業観の変わった若者たちが、職場に復帰していないためとみられる。

予想できなかった生死の危機の前で、人生の価値を再考する人が増加し、米国ではZ世代が主導する退社の風が吹き荒れた。今年3月には自発的な退社者数が454万人と歴代最大を記録した。

◇「より良い条件で新しい職場」確信

フェイスブックの親会社であるメタの人事チームに勤めていたメディ・マチャドさんもその1人だ。

マチャドさんは昨年9月、多くの人が羨望するメタに入社したが、期待していた業務環境ではないことに気づき、6カ月後の今年2月に新しい職場を探さないまま辞表を出した。彼は米CNBCのインタビューで「今のような完全な求職者優位の市場で、私はあまり悩まなかった。ストレスを受けながらそこに留まる理由がないと考えた。より良い条件で新しい職場を見つけることができると確信している」と話した。

実際、先月発表された「ピュー・リサーチ(Pew Research)」の調査によると、大量退職が続いた今年3月までの1年間、離職者のうち60%は賃金上昇という課題が実を結んだと答えた。職場に残った人も約半分は実質賃金が上がったと答えた。

企業は人材離脱を防ぎ、人材を誘致するために賃金引き上げとワークライフバランスの改善など、より良い条件を提示している。

マイクロソフトは昨年、大量退職を防ぐため全従業員に1500ドルの慰労金を支給。アップルは5月に時間制売り場従業員の最低時給を22ドルに引き上げた。ツイッターやアマゾンなどは、ソーシャルディスタンスが終了したにもかかわらず、在宅勤務を続けることにした。

ただ、世界的な金利引き上げによる景気低迷が現実化する場合、状況が変わりかねないという指摘も出ている。企業が相次いで雇用を減らしたり解雇に乗り出したりする場合、働き口は簡単には見つかりにくくなるからだ。最近、ウォルマート、フォード、スナップ、ゴールドマンサックスなど産業の全分野で、人員削減のニュースが相次いでいる。

ブルームバーグは「転職を望む人々に機会の窓が閉ざされるかもしれない。景気低迷に対する恐れが大きくなれば、転職を検討していた人々も報酬をさらに受け取る新しい職場を探すのが難しくなるかもしれない。そういう恐れを持つようになるだろう」と伝えた。

北京のバス停で座る女性(AFPBBNews)©news1

◇中国の若者の5人に1人は無職…最悪はまだ

一方、中国は若者の失業問題で頭を悩ませている。中国国家統計局の付凌暉報道官が先月、中国の若者(16~24歳)の失業率を発表し、「新型コロナウイルス禍に苦しんでいる企業の新規雇用能力が落ちた。若者の雇用の大きな柱であるサービス部門の回復が遅い」と話した。

該当人口の7月の失業率は19.9%で、史上最高だった。付報道官の説明は、中国企業と若者が直面している現実を如実に示している。中国の若者の失業問題は、新型コロナウイルスによる感染自体から始まったものではない。尋常ではない「封鎖政策」のためだ。

上海は極端な事例だった。労働者が家に閉じ込められ、生産が麻痺した。都市内、都市間の移動も自由ではなく、物流が止まった。経済指標は全て下落し、雇用の安定性に対する不安から、人々は財布のひもを締めた。封鎖が解除されても消費が以前と同じではないため、企業はそれ以上採用しない。

上海の悪夢が消える前の今月初め、四川省成都と技術都市・広東省深圳も全面または部分封鎖された。今や封鎖は日常になった。

ビッグテック規制も若者の就職難を加速させた。新規雇用は遠い話だ。既存の従業員でさえいつ切られるかわからない薄氷の上に置かれている。アリババとテンセントのような中国の代表的なビッグテックまで4月から6月までで1万4000人以上を解雇した。

このような中、今年1076万人の大卒者が生まれた。1年の大卒者が1000万人を超えたのは今年が初めてだ。李克強首相は時間があるたびに地方政府に雇用を増やすよう催促するが、これといった方法がない。李首相は今年3月、全国人民代表大会(全人代=国会)で、年内に1100万の雇用を増やし、都市失業率を5.5%にすると公言した。

中国は16日から共産党大会が始まる。その後、政治は来年3月の全人代に向かう。若者の失業はまだピークには達していない。

(おわり)

「あふれる雇用、疎外された20代」はMONEYTODAYのユ・ソンイル、アン・ジェヨン、ハ・スミン、キム・ジサン、キム・ジュヒョン、ユン・セミの各記者が取材しました。

©MONEYTODAY

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